反経済成長論・エコロジー思想・新しい社会運動論など、労働と働き方、社会に対する考え方の変遷まとめ

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反経済成長論・エコロジー思想・新しい社会運動論など、労働と働き方、社会に対する考え方の変遷まとめ

このページでは「反経済成長論」「エコロジー思想」「新しい社会運動論」など、現在われわれの労働社会について考えさせられる思潮に関し、時系列順にまとめています。

多大な内容に及びますので、内容については常に未完成状態であり常時アップデートを行っています。

【50年代:ビートジェネレーション】

今後詳しく記載予定

【60年代:学生運動】

今後詳しく記載予定

【70年代:新しい社会運動】

・おおまかなポイント

19世紀から始まる社会運動においては、

  • 資本家と労働者(プロレタリアート)の階級間格差

など経済的状況の改善を目指した運動が主眼であった。

一方、70年代以後に登場した「新しい社会運動」においては

  • 社会的自助グループ運動
  • コミューン運動
  • 平和運動
  • フェミニズム運動
  • 地域闘争
  • 脱原発運動

など、運動の種類が多岐にわたるようになる。

ここにおいては、これまでの経済的境遇の改善に加え、アイデンティティ(「私とは何か」というもの)や脱物質主義、反消費主義傾向など、より個人の私的領域にかかわる事柄に関わる運動が増えていくようになる。

・登場の社会的背景

  • 産業構造の変化

これまでの第2次産業(工場労働など)から第3次産業(サービス産業)へと主産業が移り変わる中で、人々の職業的バックグラウンドが多様化し、これまでの労働者の連帯・団結・同質を基調とし、主として政党が率いる社会運動が不可能になってきた。

要するに、さまざまなタイプの働き方や職種の人々が増えたので、人々のものごとの考え方が多様化し、同質性が薄れ、団結することが単純に不可能になってきた。

【70年代:エコロジー思想】

・おおまかなポイント

1970年代以降に登場したエコロジー思想は、産業革命・科学革命以降の産業社会化が現状の深刻な自然破壊を引き起こしたとして批判する。

「エコロジー」の言葉そのものは生物学の言葉だが、社会科学上においては1920~30年代に使用されるようになった。

・登場の社会的背景

  • 60年代の学生運動をはじめとした「新しい社会的運動」「新左翼運動」

60年代における世界各地での公害の発生。日本での有名な4大公害(「イタイイタイ病」「水俣病」「新潟水俣病」「四日市ぜんそく」)もそれに含まれる

※なお、世界初の公害は1940年代のロサンゼルスでの光化学スモッグ。映画『ブレードランナー』は未来都市LAが舞台だが、この公害にまみれ昼でも電灯を常時点けていなければならない街の舞台がLAであることには意味がある

  • 1973年と1979年の石油危機
  • 1972年のローマクラブによるレポート「成長の限界」

これらは、地球資源の有限性について関心がもたれるきっかけになった

・従来のマルクス主義とエコロジー思想の違い

  • 従来のマルクス主義・共産党…産業社会に融和的・親和的で階層社会の改善に焦点を置く
  • エコロジー思想・新左翼運動…産業社会とそれが生み出した消費主義社会に批判的。これらが自然環境の大量破壊につながったとし、「生態系」に基づき自然との「関係」に焦点を置く

・具体的な政党・運動の例

  • 政党:緑の党

特にドイツの緑の党が知られる。同党は1983年の連邦議会選挙で初めてとなる議席を獲得した。

  • 運動:原子力発電反対、安全食品運動・自然保護・有機農業・核兵器反対・反戦平和

これらは「新しい社会運動」とも通じる。のちのNPOなど社会的就業誕生のきっかけにつながる。

・エコロジー思想に影響を与えた主な人物・トピック

(人物時系列順)

・安藤昌益(1703-1762)江戸中期の思想家。昌益の思想には環境思想の端緒を見ることができる。

・ロバート・オーウェン(1771-1858)…19世紀に活躍したイギリスの「空想的」社会主義者。実験共同体組合の建設を試みるが、2年で挫折

・クロポトキン(1842-1921)…ロシアのアナーキズム思想家。主著『相互扶助論』

(ナロードニキ…資本主義段階を経ずに社会主義への移行ができるとし、農民に革命を説こうとしたアナーキストグループ。)

・オルダス・ハクスリー(1894-1963)…近代科学文明の「謳歌」が、極度の管理社会を生むとするディストピア小説『すばらしい新世界』(1932年)などで知られる

・バリー・コモナー(1917–2012)…アメリカの生態学者

・アンドレ・ゴルツ(1923-2007)…フランスの実存主義的マルクス主義者。2007年に不治の病を持つ妻とともに心中自殺。主著『エコロジスト宣言』

・E・F・シューマッハー (1911-1977)…イギリスの経済学者。主著『スモール・イズ・ビューティフル』

・理解するための本

  • E・H・ノーマン『忘れられた思想家 安藤昌益のこと』

安藤昌益の考えをわかりやすく解説

  • レイチェル・カーソン『沈黙の春』(1962年)

DDTなど農薬など化学薬品が自然環境・生態系に及ぼす影響を指摘

  • シューマッハー『スモール・イズ・ビューティフル』」)』(1973年)

大量消費を是とする経済学と科学主義に疑問を投げかけ、仏教の中道の生命観に注目する。

  • アンドレ・ゴルツ『Ecologie Et Politique(日本語版「エコロジスト宣言」)』(1978年)

「より少なく働き、より少なく消費することで、よりよく生きることができる」が本の主張。社会的に必要とする生産労働の量が少なくなれば、自主管理的で自由な活動の領域が拡大するとする。

  • シーア・コルボーン『奪われし未来』(1997年)

環境ホルモンが及ぼす影響を指摘。

【70年代~80年代:反経済学ブーム】

・ポイント

日本では1970年代~80年代にかけて、経済成長や拡大主義的な経済主義と市場メカニズム、市場メカニズム・市場原理主義への懐疑的な見方を行う著作が多数出刊・話題となり、これにより「反経済学」ブームが起きた。

それら多くの本はリベラル系出版社である岩波書店から出版されており、このことから反経済学=リベラル左翼のイメージが定着することとなっている。

具体的内容としては、

  • 貿易自由化への批判的思潮(反グローバリズム)
  • 市場メカニズムに対する懐疑(市場原理主義批判)
  • 資源への配慮がない(と批判者の中で想定する)経済学への疑義
  • 近代科学が前提とする拡大主義への懐疑

など

・誕生の社会的背景

  • 先述の「エコロジー思想」「新社会運動」からの影響
  • 80年代の経済好況(特に日本)
  • ニューアカブーム

・「反経済学ブーム」を理解するための本

  • 宇沢弘文『自動車の社会的費用』(74年)
  • 同『近代経済学の再検討』(77年)
  • 同『近代経済学の転換』(87年)
  • 佐和隆光『経済学とは何だろうか』(82年)
  • 塩沢由典『近代経済学の反省』(83年)
  • 西部邁『ソシオ・エコノミックス』(75年)
  • 見田宗介『現代社会の理論 情報化・消費社会の現在と未来』(96年)

【反経済学思想に影響を与えた人物・事柄】

(以後、今後詳しく記載予定)

①:市民的不服従

②:管理社会論

・著名な人物や本

ホルクハイマー・アドルノ『Dialektik der Aufklarung: Philosophische Fragmente(日本語版:「啓蒙の弁証法」)』(1947年)

【反経済成長論への反論、その問題点】

(以後、今後詳しく記載予定)

参考文献

今村 仁司 編『現代思想を読む事典』講談社現代新書、1988年

『岩波 哲学・思想事典』岩波書店、1998年

猪口孝ほか編『政治学辞典 縮刷版』弘文堂、2004年

宇沢弘文『自動車の社会的費用』岩波新書、1977年

大塚啓二郎『なぜ貧しい国はなくならないのか』日本経済新聞社、2014年

週刊朝日百科 世界の文学 72 「1984年 すばらしい新世界 動物農場 われら…」朝日新聞社、2000年

浜野 喬士『エコ・テロリズム』洋泉社新書y、2009年

見田宗介ほか編『社会学文献辞典』弘文堂、1998年

マット・リドレー『繁栄 明日を切り開くための人類10万年史』早川書房、2013年

『山川 世界史小事典 改定新版』山川出版社、2014年

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