日本がいかに教育を軽視しているかが分かるグラフ図表11種

スポンサーリンク

日本がいかに教育を軽視しているかが分かるグラフ図表11種

イギリスを代表する教養雑誌(毎日新聞社が出版する週刊誌のほうではない)「The Economist」が2012年に出刊した”Megachange The World in 2050(邦訳タイトル『2050年の世界』)”という本は、日本人にとってなかなか衝撃的な本です。

日頃 The Econimist のみならず、海外メディアを追っていると「ああ日本という国は世界の中でどんどん存在感を失っているのだな。衰退しているのだな。」ということが如実に感じ取れるものですが、題名通り2050年の世界を予見したこの本では、中国・アラブ世界の科学発展とそれに伴う経済発展が描写され、日本のような衰退国にならないためには両地域がどのような文教政策ないしエートスを敷けば良いかが論じられています。ここにおいては、日本は当て馬のような存在として衰退することがあたかも当然のように描かれています。

同著でも触れられていますが、教育とは本来、一国の発展にとって必要不可欠なもの。しかし日本の場合、文教族が自民党落ちこぼれ政治家の低位置であることからもわかる通り、教育が政治世界において疎まれ虐げられてきたのは良く知られています。

そう考えると、日本が衰退するのもまあ当然なのかもしれません。

今回はそんな、「日本がいかに教育を軽視しているかが分かるグラフ」を数点紹介します。

①:教育に占めるGDP比

・OECD各国における公財政教育支出の対GDP比

OECD(≒先進国)諸国で比較すると、日本は教育への支出が他国に比べて著しく足りない国だということが分かります。

上の図は2015年のデータですが、OECDの34か国中において日本は最下位。GDPに占める公的な教育支出の割合は3.5%。

なお別に民主党政権時代を賛美するつもりはないですが、同党政権時代は「コンクリートから人へ」のスローガン通り、人への投資、教育への投資が行われ(子ども手当や高校授業料無償化がその典型)、この対GDP比教育支出の数値はわずかながらですが今より改善していました。

・公財政教育支出の対GDP比(2015年)

国名 GDP比率
デンマーク 8.63
アイスランド 7.81
スウェーデン 7.68
ノルウェー 7.37
フィンランド 7.17
ベルギー 6.59
ニュージーランド 6.37
イギリス 5.68
オランダ 5.53
オーストリア 5.5
フランス 5.49
アメリカ合衆国 5.38
アイルランド 5.32
メキシコ 5.31
カナダ 5.28
オーストラリア 5.23
ポルトガル 5.13
スイス 5.10
韓国 5.05
ドイツ 4.95
ポーランド 4.91
トルコ 4.77
ハンガリー 4.66
スペイン 4.27
スロバキア 4.24
チェコ 4.09
イタリア 4.08
日本 3.59

出典:OECD「Education at a Glance(2015)」

②:日本は幼稚園・大学教育(高等教育)への支出が乏しい

上の図表の通り、日本においては公的な(政府からの)教育支出が乏しいのですが、とりわけその中でも貧弱なのが、「就学前教育段階(幼稚園児・保育園児)」と「高等教育段階」。各教育段階について、日本含めた主要先進国5か国を比べた場合は次の通り。

・在学者1人当たりの公財政教育支出(教育段階別)

引用元:平成21年度文部科学白書

・幼児教育機関に対する教育支出(2013年)

就学前、幼児教育に対する教育支出(対GDP比)の乏しさは日本の教育の特徴となっています。先進国OECD各国の比較では、日本は下位から3番目(2013年)。

出典:OECD「Education at a Glance(2017)」

・幼児教育の重要性

引用:幼児教育無償化に関する関係閣僚・与党実務者連絡会議(第1回)配布資料

先の衆議院選においても点も各党が公約として出している「幼児教育の重要性」ですが、例えばその重要性を示した実証実験として「 ペリー就学前計画」が知られています。この実験によれば、質の高い幼児教育プログラムへの参加は、その後における「学校でのよい成績」「より高い収入」などにつながっているとの結果が出ています。

・大学教育支出の対GDP比

B987x5JIEAAbmGO

上の「大学教育支出の対GDP比」のグラフにおいてわかる通り、日本は他のOECD諸国と全体的な支出はそれほど変わらないものの、内訳としては、赤の棒グラフの公的支出(国)の数値が他国と比べて極めて低く、私費支出の割合(家庭)が高いことがわかります。

要するに、日本では国が教育にカネを出さないため親が苦労して子供の学費を捻出しているということです。

なお日本の大学学費は世界的にも高く、おまけに世界各国にはあるような給付型奨学金(タダでくれる奨学金)もありません。日本の貸与型(貸付型)奨学金は、世界では学生ローンと呼ばれています。下のOECDのグラフを見れば一目瞭然。

・奨学金の種類別における世界各国の給付率

B9nxIlhCAAAFihZ

・各国の大学学費と給付型奨学金をもらう人の割合

B9nxYKsIMAA32BU

③:大学教育費の高さ

日本の大学授業料は世界的にも高く、加えて奨学金も充実していないので、いわば「二重苦」の状態に学生は置かれています。

・世界各国の大学学費と奨学金受給の関係

(縦軸が大学の年間学費、横軸が公的奨学金/ローンを受けている大学生の人の割合を示す)

BdRS-uaCUAAl2sk

・グラフからわかる、世界各国の大学授業料の奨学金の状況

①グループ:授業料が高いが、奨学金が充実しているグループ・・・アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなど

②グループ:授業料が高く、奨学金も充実していないグループ・・・日本

③グループ:授業料が安く、奨学金が充実していないグループ・・・大陸ヨーロッパ⇒スペイン、イタリア、スイス、メキシコ、フランス、ベルギーなど

④グループ:授業料が安く、奨学金も充実しているグループ・・・・北欧⇒ノルウェー、デンマーク、フィンランド、スウェーデンなど

家庭に教育費を押し付けている状態の日本ですが、結果近年では大学生・短大生・大学院生それぞれ半数以上が奨学金(学生ローン)を受給する事態となっています。

・奨学金受給率

  • 大学学部生:51.3%
  • 大学院修士:55.4%
  • 大学院博士:62.7%
  • 短大(昼間部):52.9%

【関連】

大学生の奨学金受給率は51.3%、生活苦からアルバイトをする大学生は35%。奨学金に関するデータ5つ(2014年版) 日本...

④:大学での研究費の減少

元から大学への公的支出が少ない日本ですが、最近ではそれがさらに加速。国立大学に対する運営費交付金(主に人件費と研究費)は、2004年の法人化後、毎年約1%ずつ減額され続けており、ここ10年間で約10%の削減となりました。

・国立大学運営費交付金予算額の推移

・国立大学法人運営費交付金予算額の推移

西暦 運営費交付金予算額(億円)
2004 12415
2005 12317
2006 12214
2007 12043
2008 11813
2009 11695
2010 11585
2011 11528
2012 11366
2013 10792
2014 11123
2015 10945
2016 10945
2017 10970

⑤:論文数の減少

国立大学運営交付金が削られた結果、日本の論文シェアは低下し、科学立国としての立場が危ぶまれています。

出典:elsevier.com ”Report compares UK’s research performance with key nations”

ネイチャーからも次のように指摘されています。

日本の科学研究はこの10年間で失速していて、科学界のエリートとしての地位が脅かされていることが、Nature Index 2017日本版から明らかに

Nature Indexによると、日本の科学成果の発表の水準は低下しており、ここ10年間で他の科学先進国に後れを取っていることが明らかになりました。

政府主導の新たな取り組みによって、この低下傾向を逆転させることができなければ、科学の世界におけるエリートとしての座を追われることになりかねません。

Twiiterフォロー
スポンサーリンク
関連ページ

フォローする

スポンサーリンク