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フィンランドがベーシックインカムを導入へ。貧困対策だけじゃない数多くのメリット

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北欧の福祉国家、フィンランドがベーシックインカムを導入へ

北欧の人口530万人の小国家、フィンランドは現在ベーシックインカムを導入することを検討中とのこと。

政府がすべての国民に対して毎月一定額の金額を給付するベーシックインカムは、これまでカナダやオランダなど一部都市で実験的に取り入れられてきましたが、ここにきてフィンランドで本格的の導入されるようです。

フィンランド政府は2016年11月の決定に向け、すべての市民に一律で毎月800ユーロ(約11万円、年間約130万円)を給付する方向で検討中。

制度の実施に向け、ィンランド政府は既存のすべての社会保障を廃止、その分を導入に522億ユーロ(約7兆円)かかると試算されているベーシック・インカムに振り向けるとのこと。

またこの制度改革案に対しては、フィンランド国民の69%が賛成しているとのことです。

ベーシックインカムのメリットとデメリットは?

さて気になるベーシックインカムのメリットとデメリットですが、大きくまとめると次のようなものがあります。

メリット

①全国民に毎月一定額を支給することによる貧困対策、貧困の中で自分の存在に苦しむ人への実存の回復

②世帯ではなく個人に対して配るため、家族が多ければ多いほど収入アップ⇒少子化対策に

③社会保障制度をベーシックインカムだけのシンプルな制度にすることで手続きにかかわる無駄な人員(公務員)を省くことができ、行政のスリム化とコストダウン化が図れる

④導入により人々が職を求めて都会に住む必要がなくなり地方にも定住、ひいては地方活性化につながる

よく生活保護と似たようなイメージをされることの多いベーシックインカムですが、活保護が世帯単位で金額を配布するのに対し、個人単位で金額を配る点でベーシックインカムは異なります

例えば日本の生活保護の場合、独身世帯でおよそ月8万円、4人家族でおよそ月23万円ほど(東京都の場合)。

これがベーシックインカムだと独身世帯で月11万円、4人家族で月44万円。家族が増えるに従って収入が倍々で増えるため、出産数の増加が見込まれ、少子化対策にもなります

またこれは抽象的な言い方ですが、すべての人間に一定程度の金額を与えることによりその人の「実存と尊厳の回復」も図られます。元々ベーシック・インカムの源流の一つには、家事という無賃労働の中で自身の尊厳について悩み、「家事労働に賃金を」をスローガンとした専業主婦のフェミニズム運動・実存回復運動がありました

すべての人に対してある一定程度の金額を与えるということは、貧困の中で自身の存在について苦しむ人の自身の回復、実存性の回復につながるでしょう。

もちろん、なにがあっても毎月一定の金額が振り込まれることによる貧困対策は言うまでもありません。

デメリット

①財源の不安

②勤労意欲の減退

③働かなくてもよいことによる生きがいの喪失

④「食い扶持」の発生により雇用者から解雇されやすくなる危険性

「①財源の不安」に対しては、例えば日本の代表的なBI論者、福祉政策学者の小沢修司氏は独自の試算から5万円程度なら日本でも可能としています。

また②③の「勤労意欲の減退とそれによる生きがいの喪失」に対しては、先ほどの小沢氏、また海外の代表的なBI論者フィリップ・ヴァン・パレース氏、ゲッツ・ヴェルナー氏らはボランティアを例に出し、「賃労働だけが勤労意欲や生きがいを生み出すものではない」としています。確かに慈善活動に熱心なビル・ゲイツを見てもそんな気がしますね。

また論者は「そもそもベーシック・インカムは働くことを抑制していない」とも付け加えています。今回のフィンランドの場合、月11万円という金額が絶妙ですね。

④に関しては、企業家の堀江貴文氏などはむしろこの点からBIを支持しています。

ベーシック・インカムの支持者

日本での著名な支持者としては、まずは元長野県知事の田中康夫氏。田中氏は国会議員時代はベーシック・インカム導入を公約にもしました。またテレビでおなじみの脳科学者・茂木健一郎氏、作家の雨宮処凛氏、そして先ほども紹介した企業家の堀江貴文氏などがいます。

INDEPENDENT “Finland plans to give every citizen 800 euros a month and scrap benefits”

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