シェアする

核武装、滅私奉公、反ワクチン。話題の武藤貴也議員はこんな人

muto_takaya

武藤貴也議員とは、どのような人物か

(続編:大学学費の無償化を訴えていた武藤貴也議員。日本の教育はこんなに異常)

先日ツイッター上において学生団体「SEALDs」に対し、「自分中心」で「極端な利己的考え方」と批判した自民党の武藤貴也衆院議員(36)。一体どのような人物なのか、少し調べてみました。

(8.4:「2014年の衆院選挙候補者アンケートでの回答」「6.稲作は朝鮮半島から伝わっていないと主張」を追加)

毎日新聞による2014年衆院選挙候補者アンケートでの回答

muto

muto2

muto3

1.日本会議の一員

日本会議・滋賀支部の総会、並びに講演会に出席してきました。場所は多賀大社。講演会の講師は毘沙門堂門跡門主の叡南覚範大僧正。日本将来を憂い、今の政治の体たらくに警鐘を鳴らし、早く保守政治の復活を望んでおられました。

オフィシャルブログ 2012年2月25日付『日本会議・滋賀支部の総会に出席してきました!』より

国会議員の約3分の1が会員で、安倍内閣の閣僚19人にいたっては半分以上が会員との日本会議ですが、武藤議員もその一員です。

2.基本的人権について

「基本的人権」は、戦前は制限されて当たり前だと考えられていた。全ての国民は、国家があり、地域があり、家族があり、その中で生きている。国家が滅ぼされてしまったら、当然その国の国民も滅びてしまう。従って、国家や地域を守るためには基本的人権は、例え「生存権」であっても制限されるものだというのがいわば「常識」であった。もちろんその根底には「滅私奉公」と いう「日本精神」があったことは言うまでも無い。だからこそ第二次世界大戦時に国を守る為に日本国民は命を捧げたのである。しかし、戦後憲法によってもたらされたこの「基本的人権の尊重」という思想によって「滅私奉公」の概念は破壊されてしまった。

オフィシャルブログ 2012年7月23日『日本国憲法によって破壊された日本人的価値観。』より

先の日中戦争から太平洋戦争までの日本の戦没者数は230万人弱と推定されていますが、歴史学者の藤原彰氏が自著『餓死した英霊たち』において厚生省援護局作成の「地域別兵員及び死没者概数表」(1964年)などを元に独自の分析を試みたところでは、全戦没者の60%以上、数にして140万人前後が餓死だったと推定されています。

さて藤原教授によれば、この戦争における日本軍の特徴に、餓死者の異常な多さがあげられるとのこと。すなわち滅私奉公という美辞麗句の名の下、戦争に無理やり駆り出されたなれの果てが餓死というわけです。

戦没者を餓死させたのは一体誰でしょうか。武藤議員のような政治家であることに意見の相違はありません。

3.自民党文化芸術懇話会の会員

武藤議員は、自民党の若手タカ派によって最近結成された勉強会「文化芸術懇話会」の一員です。聞きなれない名前の会ですが、立ち上げ早々の会合でメディアを威圧する発言が出席者から相次ぎ、結果厳しい批判を浴びた会と言えば、思い出す方も多いのではないでしょうか。

文化芸術懇話会の会合で出た発言の一部

「マスコミを懲らしめるには、広告料収入がなくなるのが一番。政治家には言えないことで、安倍晋三首相も言えないことだが、不買運動じゃないが、日本を過つ企業に広告料を支払うなんてとんでもないと、経団連などに働きかけしてほしい」

大西英男衆院議員

「本当に沖縄の二つの新聞社は絶対つぶさなあかん。沖縄県人がどう目を覚ますか。あってはいけないことだが、沖縄のどっかの島でも中国にとられてしまえば目を覚ますはずだ」

「もともと普天間基地は田んぼの中にあった。周りに何もない。基地の周りが商売になるということで、みんな住みだし、今や街の真ん中に基地がある。騒音がうるさいのは分かるが、そこを選んで住んだのは誰やと言いたくなる。基地の地主たちは大金持ちなんですよ。彼らはもし基地が出て行ったりしたら、えらいことになる。出て行きましょうかと言うと『出て行くな、置いとけ』。何がしたいのか」

百田尚樹氏(作家)

大西議員の発言が問題なのは言うに及ばず、百田氏の発言についてもそのほとんどが明白なデマ・捏造の類の話であり、発言後沖縄タイムスによって検証記事が出され明確に否定されています

実際には普天間基地には1925年当時から9千人の人口と村役場がありました。また、基地の地主の75%は200万円未満の軍用地料しか得ていません。

PICKH20150627_A0002000100200002_r

沖縄タイムズより

4.核武装するしかない

日本は自力で国を守れるように自主核武装を急ぐべきなのです。日本の核武装反対論は、論理ではなく感情的なものです。かつて広島、長崎に原爆を落とされた国として核兵器を許さないという心情的レベルで反核運動が展開されてきたのです。

月刊『日本』2014年5月号インタビューより

5.反ワクチン論に傾倒

武藤議員は「ワクチンなんて歴史的に効いたためしは殆どない」など誤った主張を繰り広げる安保徹氏について「免疫学の世界的権威」と評価し、そして安保氏の主張に沿った反ワクチン論を展開しています

白血球の自律神経支配メカニズムを解明した免疫学の世界的権威で、現在新潟大学大学院教授の安保徹先生は、このインフルエンザワクチンについて驚くべきことを語っている。「ワクチンなんて歴史的に効いたためしは殆どありません。弱めたウイルスを使ってワクチンを作っているわけで、本物の抗体ができないのです。今までにワクチンを打った人で、その後インフルエンザにかからずに済んだという例はひとつもありません。効果も殆ど期待できないワクチンに、なぜこれほどの税金を投入するのか。愚の骨頂です。」

私はこの発言を聞いて非常に驚いた。安保教授によれば、文字通り多額の税金を投入し大量に備蓄され廃棄を繰り返しているワクチンは、全くの「ムダ」だというのである

政府において備蓄する薬の必要性について検討する場は、厚生労働省所管の審議会・部会・調査会である。ここに各専門家(医者や研究者など)が出席し話し合いが行われるわけだが、むろん既述の安保徹教授はこのメンバーには入っていない。免疫学の世界的権威であるにもかかわらずである。

(…中略)ワクチンで莫大な利益を得ている人たちがいる。確かに国民の安全や安心を確保することは大切だが、そのことを逆手にとって巨額な利権に繋げることはあってはならない。

オフィシャルブログ 2013年6月17日付『「インフルエンザワクチン」と「子宮頸がん予防ワクチン」を通して考える。』より

日本でも反ワクチンの声が時々聞こえてくることがありますが、現在、アメリカではそれ以上の広がりを見せ、社会問題にまで発展しています。例えばハフィントンポストは次のように伝えています。

2014 年12月、ディズニーランドで発生した「はしか」が2015年1月から2月にかけてアメリカで15年ぶりに大流行している。この大流行の背景には、アメリカの親たちに根強く残る「ワクチンへの不信」がある。「ワクチンが原因で自閉症になる」といった、根拠のない医師の論文やデマがひとり歩きしているためだ。

ハフィントンポスト 2015年2月18日付『アメリカの「はしか」大流行の一因となった「反ワクチン」派を論破する』

ワクチンの有効性に関しては、朝日新聞医療ページの記事が理解の助けになります。

この記事において、医師の高山義浩氏はワクチンの欠点を紹介しつつも、最終的には「(例えばインフルエンザの場合)いくつかの信頼できる研究を総合すると、65歳以下のインフルエンザ発症のうち、ワクチン接種すれば70%から90%ぐらいを予防できる」と結論づけています。

6.稲作は朝鮮半島から伝わっていないと主張

 私はこれまで日本の稲作は「弥生時代に朝鮮半島から伝わった」と考えてきた。理由は単純で、学校でそう習ったからである。(…中略)ほとんどの教科書が疑い無く稲作は朝鮮半島から日本に伝来したと記述しているのである。

しかしながら先日、それとは全く逆に、「稲作は日本から朝鮮半島に伝わった」という話を聞いた。気になったので詳しく調べてみると、驚くことに専門家の間ではもはやそれは常識らしい。

(…中略)そもそも稲作の起源は、今から12000前、今の中国湖南省長江の中流域で始まったとされている。当時長江の流域で文明を築いていた「苗族」(今の中国の少数民族)が、野生の稲が食料になることを発見し、栽培を始めたという(中国には黄河文明の他に長江流域にも文明が存在していたことが明らかになっている)。これまで発見された日本の科学的証拠は、それが朝鮮半島を経由せず、そのまま日本に伝わったことを示している。

 古来日本から朝鮮半島に伝わったものは稲作だけではない。実は勾玉、土器、鉄器、前方後円墳なども日本から朝鮮半島に伝わったことが科学的に証明されている。

(…中略)ある専門家は次のように主張する。「簡単に言えば、日本で教育のイニシアティブを握っている人たちの中に、在日朝鮮人の人たちがかなり多く存在しているからです。彼らの中では、古来の朝鮮半島は、日本よりもはるかに先進地域だったというのが、誇りなんです。遠く離れた地で祖国を思う気持ちが、そうさせているのでしょう。」

(…中略)日本に住む日本人が自国に誇りをもてない形で教育がなされているとすれば、それは非常に残念なことであり、その為に日本人の中に愛国心が育たないとすれば、その損失は計り知れない。

オフィシャルブログ 2012年8月4日付「歴史の真実を読み解く(稲作について)」より

この「稲作は朝鮮半島を経由せず、中国から直接日本に伝わってきた」という話の信憑性については、九州大学の矢原徹一教授が以下の論文を引き合いにして、明確に否定しています

矢原教授によれば「日本から朝鮮に稲が伝播したという主張は、論文として発表されていないと思います。」「日本への稲の渡来には、朝鮮半島ルート、中国南部からの直接ルート、沖縄ルートの3つの可能性がある。どれも完全棄却されてはいませんが、朝鮮半島ルートが最有力。」とのこと。

宇田津 徹朗(2013)「東アジアにおける水田稲作技術の成立と発達に関する研究 : その現状と課題(日本と中国のフィールド調査から)」名古屋大学加速器質量分析計業績報告書. v.24, 2013, p.113-122

yahara1

矢原徹一氏ツイッターより

yahara2

その2

yahara3

その3

そもそもなぜ「稲作が朝鮮半島から伝わったと教えると自分の国に誇りを持てなくなる」のでしょうか。よくわかりません。

参考文献:

藤原彰(2001)『餓死(うえじに)した英霊たち』青木書店

月刊『日本』2014年5月号、ケイアンドプレス社

「百田氏発言「普天間飛行場、元は田んぼ」「地主年収、何千万円」を検証する」沖縄タイムス、2015年6月27日

「アメリカの「はしか」大流行の一因となった「反ワクチン」派を論破する」ハフィントンポスト、2015年02月18日

「インフルエンザワクチンは「打つべき!」か?」朝日新聞apital、2013年11月25日

矢原徹一氏Twitter

Twiiterフォロー
関連ページ

シェアする

フォローする