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【なるほどインディー】逃れられない死や老化と、どう向き合っていくかがテーマの実存主義RPG『To Ash』

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「死や老化といかに折り合いを付けていくか」を伝えるRPG『To Ash』

最近登場した尖った感覚を持つインディーズゲームや、忘れ去られていった過去のゲーム関連機器・サービスなどを紹介していくコーナー「なるほどインディーズゲーム&マニアックス」。今回ようやく連載4回目。過去3回の記事はコチラ。

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第1回:ファミコンやスーファミで馬券購入。JRA-PATサービスの終了とその歴史

第2回:スナッチャーに影響された80年代風ポストモダンADV『Read Only Memories』

第3回:旧ソ連の指導者となって住民を生かさず殺さず恐怖で縛り上げ、街を発展させていこう。ソ連版シムシティ『Soviet City』

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さて今回紹介するのはコチラ、RPGゲームの『To Ash(トゥ アッシュ)』

”To Ash”とは「灰になるまで」の意だが、開発者であるカイル・バレンティン氏によればタイトル通り「死と肉体の衰えを感じさせるゲーム」になるそうだ。

どういうことかといえば、通常のRPGが主人公たちが冒険と戦闘を繰り広げる中で能力を強化させ強くなっていくのに対して、このゲームのキャラクターたちはストーリー開始時は強い。しかし強かったキャラクターたちも次第に年を取り、レベルや能力が落ち、スキルが失われ、そして最終的には死ぬ。

作者のバレンティン氏の本職は精神病院で働く精神セラピストとのこと。職場ではうつ病、統合失調症、双極性障害、不安障害など重度の精神障害を持った人々と接しているのだという。そのような人との関わりあいの中で、「自分ではコントロールできないこと」に意識が向くようになったそうだ。

このような主人公が弱くなっていくタイプのゲームはこれまでにも見られたが、作者が現役の精神医療関係者であることからして、既存のもの以上にメッセージ性が強くなっていることには間違いない。「死について皆で話すとき、そこに正しい答えはない。だが、誰もが私語や人生の目的など実存的な問いを立てることは重要だ」とバレンティン氏は話す。

作者はこのゲームを通して「例えば死などいった”自分ではコントロールできないもの”といかにして折り合いをつけていくかを伝えたい」という

ゲームは2016年2月1日のリリースを目指して現在開発中。基本的にはRPGだが、戦闘を排除しストーリーに特化したアドベンチャーバージョンも用意されるそうだ。

・ゲーム情報

タイトル:『To Ash (トゥ アッシュ)』

ジャンル:RPG/アドベンチャー(元のRPGから戦闘部分を抜いたもの)

対応ハード:Windows/Mac

発売日:2016年2月1日

対応言語:英語

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