現在、アメリカ合衆国では嗜好目的での大麻使用・所持を合法化する動きが一大ムーブメントとなっていますが、その背景には合法化支持を強力にバックアップする世論があり、現在では大麻合法化を支持する人のほうが反対する人より多いという事実があります。とはいえ、アメリカの人々は決して昔から大麻に対して好意的だったわけではありません。
アメリカ国民調査やシンクタンク「ピュー・リサーチ・センター」が行った大麻に関するアメリカ人の世論調査から読み取れる、5つのデータをお伝えします。
1.アメリカでは大麻合法化賛成派が反対派を上回った
1969年の時点ではアメリカにおいて大麻合法化に賛成する人は12パーセント、その一方で反対する人は84%と、圧倒的に反対派が上回っていました。その後、マリファナに対して好意的な見方を取る人の率は増加の一途を辿り、ついに2014年の調査では、大麻合法化を支持する人の率が反対する人のそれを上回りました(上グラフ。賛成派:52%、反対派:45%)。グラフからもわかる通り、特にここ10年での支持派の伸びが勢いあるものとなっています。
2.若い世代ほど合法化を支持する傾向にある。
大麻合法化を支持する意見は世代が下るにしたがって増加しています。
1928~45年生まれ・・・大麻合法化支持:32%
1948~64年生まれ・・・支持:50%
1965~80年生まれ・・・支持:54%
1981年以後生まれ・・・支持:65%
また支持政党や民族によっても支持不支持が明確で、たとえば共和党支持者では31パーセント、ヒスパニックでは39パーセントしかそれぞれ支持していません。
3.アメリカ人のほとんどは大麻よりアルコールのほうが害があると考えている
69パーセントの人がアルコールのほうが害があると考え、63%の人が大麻が仮に広く社会に認められたとしてもそれでもなおアルコールのほうが社会にとって害があると考えています。
4.多くの人は大麻合法化を支持しているが、大麻を公衆の面前では吸って欲しくないと考えている
アメリカ人の83パーセントは大麻吸引を自宅で行うのは問題ないと考えているし、57パーセントは隣家が大麻販売所になったとしても問題ないとしています。一方で、63パーセントは大麻を人前で吸うのはやめてほしいと思っています。
5.アメリカ人の半数近くが大麻を吸ったことがある。
2012年の「アメリカ国民の健康に関する調査」では、全体の半数近くである47%の人間が大麻を吸ったことがあると答えている。また、12歳以上の人間の7.3%(1890万人)がここ1か月で大麻を吸ったことがあると答えています。
参考文献;
National Institute on Drug Abuse (NIDA)「Drug Facts: Nationwide Trend」