任天堂17 年3 ⽉期決算質疑応答から7トピックス
任天堂の2017 年 3 ⽉期経営⽅針説明会/第 3 四半期決算説明会での質疑応答が同社ホームページにて公開されていました。
その中から、気になるいくつかのトピックをピックアップしてお届け。
①:Nintendo Switchのハード開発における最重要課題は、「いつでもどこででも遊べる家庭⽤据置型ゲーム機をつくること」
ハード開発の最重要課題は、いつでもどこででも遊べる家庭⽤据置型ゲーム機をつくることで、 「据置型ゲーム機なのに持ち出せる」という特⻑の実現が重要でした。
開発試作品を Nintendo Switch ドックから外したとき、シームレスにプレイが継続できることは当然想定できていたのですが、それでも初めて実際にそれを経験したときには、開発者⼀同新鮮な驚きを感じ、⾃然と歓声が湧き上がるのを⾒て、⾮常に強い⼿ごたえを感じました。
(高橋常務)
②:スマホ向けアプリは年に2~3個リリース
任天堂のタイトルとしてお客様に楽しんでいただけるスマートデバイス向けアプリを、年に2〜3 本程度継続的にリリースしていくつもりです。
(君島社長)
③:Nintendo Switchのキャッチフレーズは「ハイパフォーマンス・ローパワー」。やはり海外を意識
海外でビデオゲームをプレイするためのデバイスとして⾮常に重要な役割を演じている、PCの⾼性能グラフィックスを実現する NVIDIA 社のGeForceをローパワーで実現することが、ハード開発における最優先課題でした。
(竹田 代表取締役技術フェロー)
④:3DSとNintendoSwitchの棲み分けは?
・ニンテンドー3DS と Nintendo Switch の棲み分けは、当⾯はできる
・3DSとNintendo Switch では形状、重さ、価格、遊べるゲームの種類や量が異なる
・3DSは初めてのゲーム機として、Nintendo Switch とは異なる需要やマーケットが存続すると考えている
・携帯型ゲーム機についてはこれまで通りに、引き続き検討する
(君島社長)
⑤:課金型アプリについての考え。マリオタイトルを今後も出すかもしれない
・スマートデバイス向けアプリについては、タイトル、課金モデルも含めてさまざまなタイプを試したい
・アプリは短期間で開発できることもあり、「マリオを使ったほうが面白い」というアイデアが出てきたら、すぐにマリオのアプリを作って配信するかもしれない
(宮本茂 代表取締役クリエイティブフェロー)
⑥:Nintendo Switchの開発のしやすさ。これまでと違い、アンリアルエンジンにも最初から対応
・これまでのハードでは、自社開発ツールの優先順位が高かった。
・しかしNintendo Switchでは、最初からUnreal Engineや Unityにもしっかり対応。サードパーティにもソフト開発がしやすい開発環境の構築を目指した。
(高橋常務)
⑦:開発チームを統合してメリット大。任天堂の開発者もUnreal Engineを習得し、欧米にも引けを取らない
・以前は異なっていた据置型ゲーム機⽤ソフトと携帯型ゲーム機⽤ソフト開発を統合。これにより、同じ環境で同じチームがソフトを続けてつくっていくことができるようになり、これは⼤きなメリットが生まれた。
・基本的に、PC でソフトをつくっておけば、すぐに当社向けにも対応できるように。Nintendo Switch 向けにゲームを移植しようとすると1年以内には移植できるような開発環境が整備
・Nintendo Switchの開発のしやすさは社内開発者も感じており、社内のソフト開発者たちは Unreal エンジン等の先端技術を習得し、欧⽶に⽐べて遅れがちと⾔われるソフト開発技術⾯でも引けを取らない状況
(宮本茂 代表取締役クリエイティブフェロー)