通信キャリア3社が通信速度の計測値を公表。一番早いのはauだけど・・・
ドコモ、au、ソフトバンクの各通信会社は、総務省が定めた測定方法に則って計測したスマートフォンの計測値を公表しました。
下り最速はau。以下ドコモ、ソフトバンクと続く結果が出ました。データの公表に加え、各社ともにグラフを用いての視覚化を行っています。
①:箱ひげ図の見方
(図はauのホームページから引用)
一見とっつきにくい箱ひげ図ですが、実はそれほど難しいものではありません。
測定したデータを小さい順に並べたとき、データ全体の小さい方から25%の値を第1四分位数、75%の値を第3四分位数、50%の値を中央値とそれぞれ呼びます。
そして今回のスマートフォンの通信速度については、総務省は大きい方から1/4~3/4の範囲のデータを「実効速度」として定めているとのことです。
②:各通信キャリアの通信速度
・ドコモ
ドコモはOS別にデータと箱ひげ図を用意しています。
iOS
実効速度(下り):49Mbps~89Mbps
実効速度(上り):14Mbps~30Mbps
Android
実効速度(下り):53Mbps~91Mbps
実効速度(上り):13Mbps~28Mbps
・au
auはOS別の公表はなく、また都合が悪いのか上りの実行速度は公表していません。
実効速度(下り):103Mbps~50Mbps
・ソフトバンク
ソフトバンクもOS別の公表はしていません。
実効速度(下り):42.5~76.6Mbps
実効速度(上り):16.0~26.1Mbps
③:各通信キャリアの速度を比較
さて、それぞれの通信会社の計測値をまとめると次のようになります。
一見、最大値と最小値に注目したくなりますが、これらはいってしまえば”まぐれ”で出た異常値である可能性が高いので「中央値」と「実効速度」が最も注目すべき値となります。
ドコモ | au | ソフトバンク | |||||
iOS | Android | iOS | Android | iOS | Android | ||
中央値(データの中央に来る値) | 下り | 70Mbps | 72Mbps | 73Mbps | 70Mbps | 57.7Mbps | 58.1Mbps |
上り | 21Mbps | 20Mbps | 6Mbps | 6Mbps | 22.3Mbps | 22.0Mbps | |
データの大きい方から1/4 | 下り | 89Mbps | 91Mbps | 103Mbps | 76.6Mbps | ||
上り | 30Mbps | 28Mbps | データなし | 26.1Mbps | |||
データの大きい方から3/4 | 下り | 49Mbps | 53Mbps | 50Mbps | 42.5Mbps | ||
上り | 14Mbps | 13Mbps | データなし | 16.0Mbps | |||
実効速度※ | 下り | 49~89M | 53~91M | 50~103Mbps | 42.5~76.6Mbps | ||
上り | 14~30M | 13~28M | データなし | 16.0~26.1Mbps | |||
最大値 | 下り | 168Mbps | 228Mbps | 190Mbps | 183Mbps | 150.3Mbps | 150.3Mbps |
上り | 40Mbps | 38Mbps | 19Mbps | 19Mbps | 32.6Mbps | 31.8Mbps | |
最小値 | 下り | 10Mbps | 8Mbps | 9Mbps | 11Mbps | 12.2Mbps | 10.6Mbps |
上り | 1Mbps | 1Mbps | 1Mbps | 1Mbps | 1.58Mbps | 2.04Mbps |
※実効速度・・・総務省は、大きい方から1/4~3/4の範囲のデータを「実効速度」として定めています。
④:データからわかること
加えてこれらのデータを眺めると、次のことが分かります。
1)実効速度はauが最も早い。次にドコモ。最後にソフトバンク
2)一方上り速度はauがもっとも遅い(各社の中央値から)
3)iOSとAndroidで速度にそれほど差が出ることはない(ドコモのデータから)
⑤:今後当サイトでより詳しい分析を提供予定
今回の公表に当たって各社は実測定値も明らかにしているので、今後これらを分析し、地域別、各社が今回公表していない値、など少し深い内容を伝えたいと思います。(データが多く作業に時間がかかるため1,2週間後に更新予定)。
リンク:
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