Xperia Z5シリーズの何が問題なのか
更新情報:
2/21:「2.指紋認証の認識力の悪さ」「7.発熱はどうなのか」の更新
XperiaもZ4からZ5となり、Z4で騒がれていた発熱については、前ほど酷くは無くなりました。しかし今度は大きく分けて3種類の問題が明らかになってきています。
キーワードは「バッテリー」と「動作の遅さ」、「指紋認証」です。
1.先に結論:Z5 は「買い」なのか?Z5 ユーザーからの視点
Z5シリーズでは対策の結果、前よりは本体の発熱を気にしなくてもよくなったようです。
私も実際にXperia Z5(au版)を使用していますが、すさまじい熱さは感じません。とはいえ使っているとすぐに熱を感じるのも確かです。これは他のスマホでは見られないことです。
発熱に代わり様々なユーザーから言われている問題が「バッテリー」と「動作の遅さ」。とりわけバッテリーの持ちの悪さに関しては、実際使っていてもよく感じます。一方、動作スピードに関しては、本体起動時間とカメラアプリ以外ではあまり感じません。
また、先に発売された海外の例を見ても、これら2つの問題についても今後のアップデートにより改善が見込めるかもしれません。
使って1ヶ月以上が経ちました。最近ではかなり指紋認証の具合が悪いです。連続5回ミスすると暗証番号入力の画面に映るのですが、しょっちゅう暗証画面ばっか見ています。
New⇒2.指紋認証の認識力の悪さ
購入当初は精度の高かった指紋認証ですが、数週間使用してみての今では具合がかなり悪いです。認証率は左手持ち75%、右手持ち20%(それぞれ50回テストしての結果)。
気付いたこととして、「認証精度の悪いときはセンサー部(電源ボタン)も指も、両方ともかなりキレイにしておかないといけない」というのと、「保護ケースを付けていると認証率が落ちる」というのがあります。
一方指紋認証を高める裏ワザとしては、同じ指を場所を変えて複数回登録するというのがあるそうです。
New⇒日本から遅れること数か月、最近アメリカで発売されたUS版Xperia Z5は指紋認証機能が省かれて発売されました。ただハードウェア上での機能自体は削除されておらず、そのためアレコレすれば指紋認証が復活するそうです。
3.Z5は過去Xperiaに比べバッテリーの持ちが悪い
・動画再生テストでも、Z4やZ3C、iPhone 6sを下回る結果
YouTube動画を3時間連続再生してのバッテリー残量(元は100%)
ランク | デバイス | メーカー | 180分動画再生後のバッテリー残量 |
1 | AQUOS ZETA SH-03G | シャープ | 55% |
2 | Xperia Z3 Compact | ソニー | 50% |
3 | iPhone 5S | アップル | 50% |
4 | iPhone 6 Plus | アップル | 50% |
5 | Xperia A4 | ソニー | 45% |
6 | iPhone 6s | アップル | 40% |
7 | Xperia Z4 | ソニー | 25% |
8 | Xperia Z5 | ソニー | 12% |
・バッテリーの減り具合の様子
この動画再生テストについて、詳しくは↓
テスト結果:Xperia Z5は過去XperiaシリーズやiPhoneよりバッテリーの持ちがかなり悪い
・「PC MARK for Android」によるバッテリー比較
バッテリーが80%から20パーセントになる推定時間
Z5 はこれまでのXperiaシリーズに比べ、特にバッテリーの持ちが良いということはなく、それどころかむしろろ悪い部類に入るようです。
デバイス | 推定時間(分) |
Xperia Z3Compact | 453 |
Xperia Z4 | 439 |
Xperia Z3 |
433 |
XperiaZ5Compact | 424 |
Xperia Z2 | 424 |
XperiaZ5Premium | 404 |
Xperia Z5 | 394 |
Xperia Z1 | 347 |
・グラフ
・ドコモ公表の実使用時間、テックサイトGSM Arenaによる実使用時間
ただ、こちらのスコアでZ5 Compactは良いスコアを納めています。一方コチラにしても、Z5とZ5 PremiumがZ2やZ3といった過去機種よりバッテリーの持ちが悪いという傾向に変わりはありません。
デバイス | ドコモによる実使用時間 | GSM Arenaによる実使用時間 |
XperiaZ5Compact | 85.6時間 | 86時間 |
Xperia Z1 f | 83.6時間 | 65時間 |
Xperia Z3 SO-01G | 81.0時間 | 85時間 |
Xperia Z2 SO-03F | 79.2時間 | 89時間 |
Xperia Z3 Compact SO-02G | 78.3時間 | 101時間 |
Xperia A4 SO-04G | 78.0時間 | ― |
XperiaZ5 SO-01H | 77.4時間 | 73時間 |
XperiaZ5 Premium SO-03H | 77.0時間 | ― |
Xperia Z4 SO-03G | 67.8時間 | 65時間 |
Xperia Z1 |
57.7時間 | 54時間 |
ドコモの「実使用時間」の定義は、それぞれの発売時期により微妙に異なります。
Web閲覧 | メールや通話、SNSアプリ | ゲームや動画、音楽 | その他(アラームなど) | 1日当たり計 | |
2014-2015冬春/2015夏モデル | 30分 | 35分 | 15分 | 5分 | 85分 |
2014年夏モデル | 30分 | 35分 | 15分 | 5分 | 85分 |
2013-14年冬春モデル | 40分 | 20分 | 15分 | 5分 | 80分 |
またGSM Arenaの推定実使用時間は、次の3種類の試験結果をもとに割り出されています。
①音声通話、②ディスプレイの明るさ50%の下でのWebブラウジング、③ディスプレイの明るさ50%の下での標準的な解像度のビデオ再生
4.Z5は過去Xperiaと比べてアプリの起動時間が特に早いわけではない
②Xperia Z5とZ3、アプリケーション起動速度を比較
動画前半がアプリ起動、後半がWebブラウジング
この動画ではXperia Z5 とZ3において、アプリの起動速度を比較しています。
・アプリ起動13個
Xperia Z5が早い | 6アプリ |
Z3 が早い | 5アプリ |
同じ | 2アプリ |
まずはアプリの起動スピードの比較。Xperia Z5 とZ3 で13個のアプリを起動し比較した結果「Z5 のほうが速かったのは6つだけ、5つのアプリはZ3 のほうが早かった」と、なんともいえない結果となっています。
とりわけYouTubeやGoogle Play、ゲーム(『FIFA 16』) など、使い機会が多いアプリにおいてZ5 のほうが起動が遅いのは、ちょっと致命的かもしれません。
5.Z5はXperiaの過去シリーズと比べて、起動時間が遅い
Xperia Z5 とXperia Z4、Z3、Z2、iPhone 6sで再起動時間を計測
動画は前半部がXperia Z5 とXperia Z4、Z3、Z2でテスト。後半部がZ5とiPhone 6sでテスト。
・本体起動時間
iPhone 6s | 15秒 |
Xperia Z3 | 35秒 |
Z2 | 40秒 |
Z4 | 44秒 |
Xperia Z5 | 47秒 |
動画後半部、iPhone 6sとの比較を見比べればわかりますが、30秒の差というのは結構差があるのがわかります。
なお最近日本のXpria端末でもファームウェアのアップデートがありましたが、アップデート後も本体起動時間は変わらないものとなっています。
6.Z5は他のスマホよりカメラアプリの起動が遅い
一足先に発売された海外で悪評判となっているのがカメラアプリの起動の遅さ。
Xperia Z5/Z5 PremiumとLG・V10/G4、グーグル・Nexus 5X/Nexus 6Pの計4機種でカメラアプリ起動の速さを比べた下の動画でもZ5シリーズのアプリ起動の遅さがわかります。
New⇒7.発熱はどうなのか
⇒Z4 よりは改善。アプリが強制終了するというようなことは無い。
Xperia Z4で騒がれた本体温度ですが、Z5とZ4で使用中の本体背面部温度を比較すると、Xperia Z5では熱対策が功を奏していることが分かります。
・Xperia Z5、使用中の背面部の温度
・同Xperia Z4
・各Z5 シリーズの発熱の様子
機種 | 通常使用
(○/△/×で評価) |
ゲーム使用
(○/△/×で評価) |
4K撮影テスト
(撮影可能時間) |
海外レビューサイトの意見まとめ |
Z5 | △に近い○ | △ | 48分以上撮影可能 | 熱くはないが、すぐに温かくはなる。
使用していて日常的に温かい。ただし、Z4ほどではない。 Z4のように熱でアプリの強制終了はあまりない。 ゲームの時は結構熱くなるが、Z4ほどではない。 |
Z5 Compact | ○ | △ | 40分以上 | 熱くはないが、すぐに温かくはなる。
使用していて日常的に温かい。ただし、Z4ほどではない。 ゲームの時は結構熱くなるが、Z5ほどではない。 |
Z5 Premium | 50分以上 |
XPERIA Z5シリーズでなされた発熱対策とその効果について、詳しくはこの記事をどうぞ
全14種類の不具合とその対処法は?バッテリー/発熱/全体的な動作ラグほか、Xperia Z5の発熱・不具合まとめ15トピック
ただ某雑誌最新号の実験結果によれば、最新スマホのうち発熱2トップ機種は「ARROWS NX F-O2H」「Xperia Z5」であるとのこと。
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以下Xperia Z4 のコーナー
このページは元々「Xperia Z4を避けてXperia Z5まで待った方が良い理由」というページでした。そのためXperia Z4の問題点について書かれたものが存在します。以下の通りです。
Xperia Z4の何が問題なのか
Xperia Z4は、搭載CPUのSnapdragon 810のオーバーヒートによる性能低下だけでなく、端末にいくつか問題があり、そのため、今年10月発売のXperia Z5まで購入を止めたほうが良いのではないでしょうか
以下、Xperia Z4の微妙さ具合がわかる例を並べていきます。
問題の数々
8.深刻なCPUのオーバーヒート問題により、アプリが落ちる
関連記事:XPERIA Z4の発熱問題対策は今夏以降:ソニー発表
レビュー用サンプル端末においてカメラ機能や特定のゲームアプリを動かした際、端末本体の発熱によりアプリが強制終了する事態が起こる。
しかもこのZ4のSnapdragon 810、色々と熱問題を起こしているにもかかわらず、これでも発熱対策済みモデル(ver.2.1)とのこと。
関連記事:Xperia Z4も?世に流通するSnapdragon810のほとんどが発熱対策済みモデルらしい
9.Xperia Z4、Xperia Z3との動作比較テストで微妙な結果
関連記事:Xperia Z4はXperia Z3に劣る!?動作パフォーマンスを比較した動画が公開
Xperia Z4、Antutuベンチマークテストでは約46,000スコアと約43,000スコアのXperia Z3を上回る(それでも最新CPUにも関わらず3000スコアほどしか上回っていない)も、実際のアプリ動作テストではXperia Z3より動作速度が劣るという結果に。
10.他社最新スマートフォンと比べても微妙なベンチマークスコア
関連記事:ソニー「Xperia Z3 +/Z4」、ベンチマークソフトでの低スコアぶりが話題に
海外テック系サイトがXperia Z4の海外モデルであるXperia Z3+を、端末の総合的な性能を測定するAnTuTuベンチマークで測定したところ、出てきたスコアは50,875。
Exynos 7420をCPUに搭載するGalaxy S6 edgeにはスコアで大きく離され(69,042スコア)、同じCPUを搭載するHTC One M9よりも10パーセント程度低い(56,896スコア)。
この50,000近辺のスコアは、昨年発売された「LG G4」や「Google Nexus 6」とそれほど違いがなく、同様にCPU、RAM、I/O性能を測定するベンチマークソフト「Vellamo Metal」に至っては、Xperia Z3にすら劣っている有様。
ただ、日本発売のモデルではXperia Z4、HTC M9のスコアに差はなく共に「Antutu:スコア52,000前後」だった。
関連記事: 【Xperia Z4】auスマートフォン、性能・ベンチマークスコアランキング2015【Galaxy S6】
11.そのほか端末の問題多数
Wi-Fi制御安定化機能の不具合による本体フリーズ、ディスプレイ左端中央部の反応不良、著しく消耗するバッテリー、Xperia Z3でも報告されていた写真中央部がピンクに発色する「ピンクカメラ問題」など多数の問題がユーザーから報告されている。
うち前2つはアップデートによる改善済み(ピンクカメラ問題は仕様とのこと)だが、結果、端末発売後1ヶ月で3回もアップデートするという状況になっている。
これらの問題によりXperia Z4の人気はイマ一つ。売上ランキングではすぐにランク外、白ロム(新古/中古品)市場においては、Xperia Z4の発売後、Xperia Z3の人気が再燃するという珍現象も起きている。
12.結論
以上書き連ねてきましたが、それでも基本的に、Xperia Z4が優れた機種であることには間違いありません。海外の各種レビューでも軒並み高評価です。
しかし、Xperia Z5はCPUにSnapdragon 820を搭載、早ければ9月にも発表されるとの噂。追記:Xperia Z5もSnapdragon 810とのことです。
Xperia Z4は不具合も多数あるので、スルーして、もうすぐ出るXperia Z5まで待つのが賢明なのではないでしょうか。