アメリカ同性婚禁止判決、ケネディ連邦最高裁裁判官による名文
先日、アメリカの連邦最高裁判所が同性愛者による婚姻を認める判断を示し、同性婚を認める判決を下したことは記憶に新しいと思います。
1970 年代以降、同性同士のカップルが婚姻の許可を求めて訴訟を起こすケースが相次いだアメリカ。その結果、首都ワシントンを含むほとんどの州では同性婚が可能 となりましたが、それでも、保守的なキリスト教福音主義派の影響力が強い中西部オハイオ州など4州では、いまだ同性婚が認められていませんでした。しかし 今回の判決によって、ご存知の通り全米で同性婚が認められることとなりました。
さて、そんなエポックメイキングな判決において、連邦最高裁判所の判決文のある文が「美しい」「将来の教科書に載るのでは」などと話題になっています。
書いたのはアンソニー・ケネディ判事。9人いるアメリカ連邦最高裁判所裁判官の一人です。全文はこちら
No union is more profound than marriage, for it embodies the highest ideals of love, fidelity, devotion, sacrifice, and family. In forming a marital union, two people become something greater than once they were. As some of the petitioners in these cases demonstrate, marriage embodies a love that may endure even past death.
It would misunderstand these men and women to say they disrespect the idea of marriage. Their plea is that they do respect it, respect it so deeply that they seek to find its fulfillment for themselves. Their hope is not to be condemned to live in loneliness, excluded from one of civilization’s oldest institutions. They ask for equal dignity in the eyes of the law. The Constitution grants them that right.
結婚ほど深遠な「結合」はない。なぜなら、結婚は愛を、忠誠 を、献身を、犠牲を、そして家族の理想を最も体現したものだからである。結婚という結合の形体によって、二人の人間は一人でいるときより素晴らしいものに なれる。この民事訴訟の原告のように、結婚は過去の死すら耐えうる愛を意味するのである。
今回の同性愛者の男性と女性が、婚姻という概念に対し尊敬を払っていないとするのは過りである。彼らの請求は、彼らが婚姻に敬意を払い、そしてその敬意が深いものであるからこそ、自分達にも結婚制度が与えられることを願っているゆえにある。
彼らの望みは、孤独に生きろと宣告されないことであり、文明におけるもっとも古い制度から排除されないことであり、彼らは法の下での平等がなされることを願っている。合衆国憲法は、その権利を彼らに与えている。
オバマ大統領も名スピーチ
また今回の判決を受けて、オバマ大統領も次のようなスピーチを残しています。こちらも中々の素晴らしいスピーチです。
They’ve reaffirmed that all Americans are entitled to the equal protection of the law, that all people should be treated equally,
連邦裁判所はすべてのアメリカ人が法の下の平等を受けられ、すべての人々が平等に扱われなければならない、ということを再び断言した。
Sometimes there are days like this, when that slow, steady effort is rewarded with justice that arrives like a thunderbolt,
時として、遅々とだが確固たる人々の不断の努力が、落雷の如くやってきた正義によって報われる日がある。