ソニーのスマホ&VRヘッドセット技術の特許が明らかに。3Dテレビと同じ原理により没入感あるVR体験が可能
アメリカ特許商標局(USPTO)のデータベースから、ソニーのスマートフォン&VR(ヴァーチャル・リアリティ)関連の新たな特許の存在が明らかになりました。
これは、スマートフォンやタブレットなどをVRデバイスにセットして、スマホらに表示される映像を元にバーチャルリアリティが楽しめるようになるというもの。
このようなスマホ装着型のVRデバイスはすでに存在しており、例えばサムスンの「Gear VR」がそれに当たります。
しかし今回のソニーの特許のそれは、「アクティブシャッター方式」の3D表示方式を採用することにより、Gear VRなど既存のスマホ一体型VRデバイスよりさらに一段階上のVR体験を可能とさせてくれるようです。
「アクティブシャッター方式」とは、現在の3Dテレビで最も一般的な表示方式であり、3Dメガネを用いることでよく知られているものです。この方式では、まずTV側で左眼用と右眼用に映像を順番に表示し、それぞれの表示タイミングに合わせて同期信号を用いてメガネ側の左眼/右眼の液晶シャッターを開閉、左眼側と右眼側とで別の映像を見せます。これを高速に繰り返すことで、脳に立体映像として知覚させるというもの。
・アクティブシャッター方式について
すなわち、今回のソニーの特許ではスマホがTV、そしてVRデバイスが3Dメガネの役割を担うものといえます。
そのほか、スマホのカメラを用いることで、外部を感知して危険を回避できたり、自分の手をそのままVR内に映し出したりすることが可能。
さらにはスマホのカメラを用いて傾きと位置を検知。これによりOculusやPSVRで採用されている「身体を傾けたら視界が傾く、後ろに振り返るときに後ずさりしたら視界がその通りに動く」といったこと(ポジショントラッキング)が出来るようです。
すでにソニーモバイルからは昨年11月のXperia Z5 Premium発売時において、海外公式ブログにて「Xperia Z5Pを用いたVRデバイスを開発中」との公式アナウンスが出されていました。
今回の特許については、アクティブシャッター表示に求められるスマホの性能とZ5Pの実性能の違いから、直接はZ5Pと関係するものではないかもしれませんが、それでも将来的なXperiaとVRのつながりを示すものとして、期待が高まるものであることに違いはありません。
[United States Patent and Trademark Office/Sony]
参考文献
三菱電機ホームページ「MDR3シリーズ」