VRでチェルノブイリを体験する『Chernobyl VR Project』
・一種のダークツーリズム?
決してメジャーでは発売されない、尖った作品がリリースされるのが醍醐味のインディーゲームですが、それにしてもこれはすごい。
個人的にも、対応機種のHTC VIVEを買おうか検討させてくれたのが、今回紹介する『Chernobyl VR Project(チェルノブイリ VR プロジェクト)』です。
何しろこのソフト、あの1986年に原発事故を起こした「チェルノブイリ原子力発電所」の内部施設をカメラで撮影、そのデータを3DモデリングしてVRに対応させたもの。
よってVR空間において、原発事故の起きたチェルノブイリと近辺のプリピャート市にバーチャルトリップすることができるものとなっています。
開発元のThe Farm 51曰く、「ただのゲームを目指したわけではない」とのことで、ゲーム性と教育要素、映画のストーリー性の融合を追及した結果、今回の形態になったのだとか。
最近ではこのチェルノブイリ原発始め、広島の原爆記念資料館や9.11のグラウンド・ゼロ、ナチスドイツのアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所などといった、人類史における悲劇や暴虐が行われた場所を訪問する「ダークツーリズム」「ブラックツーリズム」なる観光の1種が注目を集めるようになっており、今回の『Chernobyl VR Project』にしても、ダークツーリズムの一形態と言えるかもしれません。
・評価は真っ二つに分かれる
しかし、これは実際のダークツーリズムにおいて、訪問先の現地の人から
・今ごろになってまた騒がれること(広島やアウシュビッツなど有名地ではあまりそのようなことはないが、近年あまり騒がれなくなっていた場所でよくあるケース)
・観光で訪れた人間の野次馬根性(観光で来た人間の中には、現地の人の心情も察することなく、失礼なことを吐く人がそこそこいるらしい)
に対し、戸惑いや悲しさ、そして怒りを覚える人がいるように、本ソフトに対しても評価は分かれている模様。
ソフト配信元のSteamでは「53%の高評価」にとどまっています。
ソフトはHTC VIVEとGear VR、Oculus Riftに対応。価格は980円(HTC VIVE版)/ 280円(Oculus Rift版)。