大学生の奨学金受給率は51.3%、生活苦からアルバイトをする大学生は35%。奨学金に関するデータ5つ(2014年版)
日本の高等教育費(大学授業料)は世界各国においてもトップクラスの高さとなっており、加えて他国とは違い家庭からの教育費負担率が高いため、昨今では経済状況の悪化による奨学金(教育ローン)受給者の増加や奨学金破産などといった事態も報じられるようになってきました。
奨学金を取り巻く現状について、いったいどのような実態があるのか。
そのことを知る一つの手がかりとして、今回は、大学に進学する学生が奨学金を借りる際、ほとんどがそこから借りることになる独立行政法人・日本学生支援機構;JASSO(ジャッソ;旧・日本育英会)が2016年3月29日に発表した【「平成26年度学生生活調査」】を元にして、奨学金に関するさまざまな現状をグラフ化してみます。
・奨学金受給状況
2008年9月のリーマンショック以後は特に大学学部生の生保受給率が上昇、2014年時点では51.3%と半数以上の学生が受給することになっています。
またここでは過去のデータが不足していたため図示していませんが、短期大学(昼間部)の受給率は52.9%となっています。
【奨学金受給率】
- 大学学部生:51.3%
- 大学院修士:55.4%
- 大学院博士:62.7%
- 短大(昼間部):52.9%
・進学先別、大学学費(授業料+そのほかの学校納付金)の推移
授業料+そのほか学校納付金は大学学部(昼間部)において微増傾向にあり、2014年では計104万4600円と10年前より5万円ほど増加。そのほかは横ばい、もしくは微減となっています。
【大学学費】
- 大学学部生:104万4600円
- 大学院修士:64万8900円
- 大学院博士:48万8600円
- 短大(昼間部):96万4700円
・学生生活費(学費+生活費)の推移
学生生活費(学費+生活費)は、平成24年調査から1%減少。
【学生生活費】
- 大学学部生:186万2100円
- 大学院修士:175万200円
- 大学院博士:216万2000円
- 短大(昼間部):96万4700円158万500円
・家庭からの給付のみで就学不可能な大学生が、35%に上る
前回調査よりは下がったとはいえ、家庭からの給付のみで就学不可能な大学生が35%に上る。
【大学学部生、家庭からの給付程度とアルバイト従事・アルバイト非従事者】
- アルバイト従事:家庭からの給付のみで就学可能-38.3%
- アルバイト従事:家庭からの給付のみでは就学不可能-35.0%
- アルバイト非従事者:26.8%
・進学先別、家庭の年間平均収入額
【進学先別、家庭の年間平均収入額】
- 大学学部:824万円
- 大学院修士:795万円
- 大学院博士:734万円
- 短大:658万円