22年の時を経てSFC用ソフト『天外魔境ZERO』の英語翻訳版が完成し、海外任天堂ユーザーから歓喜の声が多数寄せられる
『天外魔境ZERO』と言えば、1995年に発売されたハドソン/レッドカンパニーによるスーパーファミコン用RPGソフト。
本作の特徴としてまずあげられるのが「PLG(パーソナル・ライブ・ゲーム)システム」。現実世界と連動したイベントが発生するこのシステムは、今でこそ同様のものが多くのタイトルで見られるありふれたものですが、スーパーファミコンのゲームとしては非常に珍しく、加えて72Mbit相当のファイルが圧縮された40Mbit 特殊ロムカセット(エプソン SPC7110カスタムチップ搭載)による滑らかなアニメーションは、PLGシステムともども当時のゲーム少年少女たちを驚かせたものでした。
考えてみれば、3Dポリゴンを可能にした『スターフォックス』や手書き風2DCGが特徴の『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』、さらには美麗グラフィックが特徴の『スーパードンキーコング』シリーズや、キャラクターがしゃべる初のSFCタイトル『テイルズ オブ ファンタジア』などなど、スーパーファミコン時代というものは、ROMカセットであることを生かしての特殊容量チップ搭載タイトルが多数発売され、ゲームの進化を如実に感じさせてくれたものです。
・『スーパードンキーコング』(海外版)
さて今回、海外の任天堂マニアたちの間において、この『天外魔境ZERO』の翻訳作業がソフト発売から22年を経てようやく終わったとして、喜びの声が寄せられている様子。NINTENDOLIFEが伝えています。
元々、日本が舞台という西洋ユーザーへのわかりにくさから海外では発売されていなかった本作。そんな状況に業を煮やした有志ユーザーたちがROMソフトを吸い出し、独自に日本語から英語への翻訳作業に励んでいたものの、なにしろ冒頭にもある通り、72Mbit相当ファイルによる膨大な文章量による多大な翻訳作業量に加え、翻訳後のファイルを再圧縮してROMファイルに再挿入する技術の開発が遅れてしまい、なんと作業完了までこんなにも長い期間がかかってしまいました。一時は「Impossible(不可能)!」との声が多数寄せられていただけあって、達成後の感動もひとしおのようです。
・海外ユーザー有志による英語翻訳版『天外魔境ZERO(Far East of Eden)』
翻訳作業の成功に満足したユーザーたちは、現在、SNESエミュレータにて『天外魔境ZERO』を楽しんでいるそう。