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人種差別・女性蔑視・コカインキャンディー…etc。ショッキングな広告9種類
「広告は時代を写す鏡」とはよく言ったもので、ほんの少し前の広告でも今の価値観からすると到底受け入れられないものがあったりします。
考えてみると、公共施設が公然と人種毎に分けられ、黒人が白人の車両に乗ったりすると逮捕される「ジム・クロウ制度」の撤廃や、それまでの女性の劣悪な地位の向上を訴えたウーマンリブ活動は1960年代のことであり、それほど遠いものではありません。
今回は、そんな今の時代から見ると奇妙な広告のいくつかを紹介します。
①:1940年代の洗剤の広告
「 僕たちは”クロニクル(洗剤)”を使って、ホワイトニガーになるよ」というコピー。
②:石鹸の広告
白人の女の子が黒人の女の子に向かって「なぜあなたのママは、フェアリーソープであなたを洗わないの?」と話しかける石鹸の広告
③:19世紀のコカインキャンディー
ほのぼのした雰囲気ですが、これは痛み止めを謳ったコカインキャンディの広告。コカイン等のドラッグが規制されたのは20世紀に入ってからで、それまでは咳止めや風邪薬として広く一般に流通していました。
④:歯痛止めコカインシロップ
同じくモルヒネ入りの歯痛止め用シロップ
⑤:石鹸の広告
イソップ物語「エチオピア人を白く洗う」に基づく、1884年のPears Soap(ピアーズソープ)の広告。
⑥:愛国ファンド
”私は顔は痩せ、肌は汚い。しかしハートは白だ”と謳う投資ファンド。その名も「カナダ人愛国ファンド」。
歴史上、ナショナリズムは差別や排外主義と強く結びついてきた事実があるためか、愛国関係の広告は差別的なものが多いようです。
⑥:ビタミン剤
コピー文句が「妻の仕事を良くすればするほど、彼女がかわいく見える」というもの。ケロッグ社による1930年代のビタミン剤の広告ですが、これなど、今の日本に持ってきてもそう違和感は無いかもしれません。
⑦:黒人キャラクター
フェアバンクス社の洗剤、「Gold Dust washing powder」のキャラクター、”Gold Dust Twins”。
同じく”GOLD DUST TWINS”を用いたイメージ広告。”セオドア・ルーズベルトはアフリカをきれいにした。GOLD DUST TWINSはアメリカをきれいにする”との文句。
⑧&⑨:石鹸・洗剤広告と差別、そして現在も…
「大抵の男性は『あの子かわいい?』と尋ねはするが『あの子賢い?』とは尋ねない」というキャッチコピーの石鹸の広告。
ここまで見てきてわかるように、石鹸・洗剤といった品目は「汚れを落とす」というその製品の特性上、人種差別と深く結びついた広告が多く存在してきました。
もちろん現在ではほとんど姿を消したものの、しかしそれでも時々見かけることがあります。
最後に紹介するのは2010年のダブの広告。「黒人がダブを使うと白人になるよ」なる広告です。