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練習時間次第で、誰でも一流になれるとする「10,000時間の法則」とは。その内容と寄せられた批判

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練習時間次第で、誰でも一流になれるとする「10,000時間の法則」とは。その内容と寄せられた批判

10,000時間の法則とは何か

・欧米で大ベストセラーに

10,000時間の法則とは、アメリカのベストセラー作家マルコム・グラッドウェルが提唱したもので、「ある分野でその道のプロになるためには、10,000時間の練習(学習)が必要だ」という考え方です。

提唱したのがベストセラー作家であること、加えてその理屈のわかりやすさから、この論は提唱以来、主に欧米諸国を中心に多大なる反響を受けるものとなりました。

なお日本でも『天才!成功する人々の法則』なるタイトルで2009年に出版されています。訳は勝間和代さんです。

・トークする、作家のマルコム・グラッドウェルさん

・グラッドウェルの話の根拠

グラッドウェルの論の根拠となったのは、心理学者のアンダース・エリクソンらが1993年に発表した研究結果です。

エリクソンらが音楽アカデミーでバイオリンを専攻する学生の練習時間を調べたところ、ソリストとして国際的に活躍する力があるとみなされた学生は、20歳までに約10,000時間の練習をしていました。この結果をもとに、エリクソン達は、ある分野でエキスパートになるには約10年間の練習が必要だと結論づけたのです

寄せられた批判

しかしながら、この法則に対しては、多くの批判が寄せられています。主だった批判としては、次のものがあげられます。

  • 10,000時間の法則は、話が過度に単純化されている。
  • 実際は、練習の質や方法、教育、才能や遺伝、環境、教育、モチベーションなど成功に影響する要因は多岐にわたる。
  • グラッドウェルがその主張の根拠としたエリクソンの研究にしても、そもそも実際は、ある分野で成功した人々の練習時間にはばらつきがあった。
  • 10,000時間の法則は、優生学の父と呼ばれるフランシス・ゴルトンのような、遺伝がすべての才能や専門性を説明できると主張した科学者の影響を受けている。

センセーショナル的に話題となった「10,000時間の法則」ですが、このように、研究者や専門家からは内容を否定する意見が多く出されています。

参考文献

Forbes.com ”Are You Wasting Your 10,000 Hours?”

National Geographic.com ”Are Malcolm Gladwell’s 10,000 Hours of Practice Really All You Need?”

BBC.com ”Why Gladwell’s 10,000-hour rule is wrong”

the guardian.com ”The Blow to 10,000-hour rule as study finds practice doesn’t always make perfect”

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