2016年1月ごろにSnapdragon 820搭載版Xperia Z5がリリース?
9月頃の情報ですが「SmartPhone Techie」という海外テックサイトが、今年年末もしくは来年初頭にCPUにSnapdragon 820を搭載したXperia Z5がリリースされるとの話を伝えていました。ただし話の情報元について元記事では記されていません。
かなり胡散臭い話ですが、この話について少しまじめに検討してみます。
まず日本におけるスマートフォンの商戦期は春夏と秋冬の年2回ですので、とりあえず日本において今年末や来年初頭に発売されることは無いのではないでしょうか。
当サイトでもこれまで予想していますが、来年の春夏モデル、例えばXperia Z6としてのリリースならあるかもしれません。
一方世界に目をやれば、現在Android全世界出荷数の35パーセント近くを占める中国では旧正月にあたる春節(旧暦準拠なので毎年1月下旬から2月頃に毎年変動)が最大の商戦期にあたるので、年明け初頭に端末をリリースするのは適切なこととなります。
[関連記事:【随時更新】スマートフォン、タブレット、格安SIM、WiMAX等に関するあらゆるデータを集めるコーナー]
下の図は中国の2015年8月におけるスマートフォン端末売り上げランキングとなりますが、中国では6.0インチ端末や5.7インチ端末、またはオクタコア(八核)端末がランキングに入るなど日本と同等、もしくはそれ以上にハイエンド端末が好まれているのがわかります。
最近では日本では発売が見込まれないサムスンGalaxy S6 Edge+なども中国では発売され、最新9月の売り上げランキングでは上位に位置しています。
2015年8月における中国スマートフォン端末売り上げランキング
インドでの最大の商戦期は年末フェスティバル期
また巨大Android市場として今後中国市場を上回ることが期待されるインドについても、調査会社Counterpointによれば、インドでの最大の商戦期は年末であり、ほとんどの端末はこの時期に発売されることが多いとのこと。
ただし、インドでは日本・中国ほどハイエンド端末は好まれません。(海外リンク)
そしてクアルコムによれば、Snapdragon 820は来年初頭リリース、 また搭載第1号機として噂されているXiaomi Mi 5は2016年1月に発売が予定されているとのことです。
ということで、日本ではともかく世界、特に中国での話に限ればあり得ない話ではないのかもしれません。発売されることを期待したいですね。
(11/15 追記)
今回の話は「中国の人はハイスペック端末が大好きなので、中国市場目当てなら2016年年始にスナドラ820版Xperia Z5発売もあるのかも」というものですが、その後、アレコレ調べた結果「今後、ソニーが中国でハイスペック端末を発売することはほぼ無い」ということがわかってきました。
現状、残念ながら日本とヨーロッパとインド以外ではさほど存在感を示すことが出来ていないソニーモバイルのスマートフォンですが、とりわけ中国では大不調のようで、ソニーのスマートフォンの中国市場でのシェアは2014年のデータで0.8%なのだそうです。
そのためソニーは中国では競争が激しい高級路線は追わず、中程度の性能を持った「スーパーミッドレンジ」端末を売り出していくことに方針をあらためたそう。
以下ITmediaによるソニーモバイル社長十時氏へのインタビューから引用
―― スーパーミッドレンジについてもう少し詳しく教えてください。
十時氏 スマートフォンにはいろんな機能が入っていて、図抜けたプレミアムモデルは日本では人気がありますが、ワールドワイドでお客さんのリクエストやオペレータさんの考え方を聞いていると、ミッドレンジ、「value for money(金額に見合う価値のあるもの)」というか、満足度が高くて機能も優れているモデルがコンシューマーに求められているという認識です。
―― 日本のスマートフォンは、世界の傾向とだいぶかけ離れています。日本での対応はどう考えていますか。
十時氏 いいご質問で、日本だけが、かなりハイスペックです。日本のプロダクトを海外に展開するのは難しいことになります。
ということで、今回の「2016年1月ごろSnapdragon 820搭載版Xperia Z5がリリース?」という話は、結局のところガセネタなんじゃないでしょうか。
参考文献:
「Xperiaの“スーパーミッドレンジ”戦略とは?――ソニーモバイル十時社長に聞く」ITmedia,2015年03月03日 11時19分