『埼玉県教育委員5人中2人が「親学推進協会」関係者』の2名とはだれか。実は3名が関わり深く

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『埼玉県教育委員5人中2人が「親学推進協会」関係者』の2名とはだれか。実は3名が関わり深く

ネット上で、次の記事が話題となっていました。

6月に就任した埼玉県の小松弥生県教育長は12日、就任後初の記者会見で、県立高校の男女別学や中高一貫校などについて印象を語った。(…中略)

今月、新たな教育委員が選ばれて5人中2人が、伝統的な子育てを推奨する「親学推進協会」関係者になったことについては、「うまく議論をして、バランスをとっていけばいい」と話した。

引用:朝日新聞「埼玉県立高の男女別学、広島市出身の教育長「びっくり」」2017年7月13日10時36分

主に話題になっていたのは最後、『新たな教育委員が選ばれて5人中2人が、伝統的な子育てを推奨する「親学推進協会」関係者になった』の箇所。

ここで登場するのが「親学(おやがく)」なる名前。あまり聞きなれないものですが、これは明海大学の教育史学者の先生によって近年提唱されるようになった教育方法の一種です。ただ、その内容には科学的・実証的根拠に乏しいものがままあり、例えば、

「アスペルガーや自閉症・発達障がいは、親の愛情不足やしつけが原因で生じる」

としています。よく知られているように、発達障害等は親のしつけなど後天的な要素で決まるものではなく生まれながらにして起こる脳機能障害ですから、主張内容にはチト首をかしげざるを得ません。

ですがこの親学、提唱する教育史学者の先生に政治力があるため政治行政の世界において影響力が強く、よって各自治体にも食い込んでおり、自治体によっては「親学」関連のワークショップや予算計上が行われています。今回の埼玉県についても、それ流れの一つと言えそうです。

・名古屋市の「親学推進協力企業制度」

出典:名古屋市ホームページ

最たるところでは2012年、大阪維新の会によって、この親学をもとにした「家庭教育支援条例」が提出されました。

この大阪府の条例案では「乳幼児期の愛着形成の不足が軽度発達障害を誘発する大きな要因である」「正しい子育てによって発達障害を予防、防止できる」とし、具体的な対策として「保護者を対象とした保育士体験の義務化」「親学アドバイザーなど民間有資格者の育成支援」といった文言が並んでいました。”親学アドバイザー”とは明海大学教授が立ち上げた財団法人「綾額推進協会」が、2万5000円の認定料で認定する民間資格です。

・親学アドバイザー認定講座のチラシ

出典:親学推進協会フェイスブックページより

結局この条例案は、「論拠に乏しい親学をもとにした条例の制定を行なうのはいかがなものか」「さらに論拠の乏しい親学アドバイザーなる民間資格に自治体が公的支援や奨励を行うのはいかがなものか」といった反対意見が多く出され、廃案になりました。

・埼玉県教育委員会の委員長、教育委員のメンバーと「親学」の関連

さて話は戻りまして、今回の埼玉県教育委員のメンバーについて。公開されている情報を元にすると、埼玉県教育委員長ならびに教育委員のメンバー5名の面子は以下の通りのようです。

・教育委員会教育長:小松弥生 氏

任期:2017年6月19日~2019年6月18日

職業:埼玉県教育長(元・文部科学省キャリア職員)

・教育委員(兼教育長職務代理者):藤崎 育子 氏

任期:2013.12.26~2017.12.25

職業:民間教育相談機関「開善塾教育相談研究所」所長

・教育委員:志賀 周子 氏

任期:2014. 4. 1~2018. 3.31

職業:埼玉県鴻巣市の委託施設「子育てサロンあたご」で家庭教育アドバイザー、特定非営利活動法人親学推進ネットこうのす代表

・教育委員:後藤 素彦 氏

任期:2017.7月~2021.7月

職業:会社社長、公益社団法人日本青年会議所顧問

・教育委員:門井 由之 氏

任期:2014.10.18~2018.10.17

職業:家庭教育アドバイザー

・教育委員:上條 正仁 氏

任期:2016.12.27~2020.12.26

職業:団体役員

注:教育委員の任期は4年。再任あり。

・『5人中2人が「親学推進協会」関係者』の2名とはだれか

また冒頭の引用記事によれば『新たな教育委員が選ばれて5人中2人が、「親学推進協会」関係者』とのことですが、その2名とはどうやら「志賀 周子 氏」と「後藤 素彦 氏」であるようです。

埼玉県の教育委員紹介ページ、また埼玉新聞の報道や親学推進協会によれば以下の通りとなっています。

・志賀 周子 氏プロフィール

親学アドバイザー・家庭教育アドバイザー・ネットアドバイザー。

親学は親学推進協会高橋史郎先生より学ぶ。鴻巣市内、埼玉県内の小中学校の就学時健診時講師、又家庭教育学級などの講師として講演・講座の開催。ネットアドバイザーとして鴻巣市内・埼玉県内の小中学校講師。

鴻巣市委託による「子育てサロンあたご」で親学アドバイザーとして在職。子育てサークルハッピーママの会主催・親学鴻巣地区会代表。

出典:埼玉県教育委員会 指導者情報「子育て 指導者」

・特定非営利活動法人(NPO法人)親学推進ネットこうのす代表:志賀 周子

出典:内閣府 NPOホームページ

後藤 素彦 氏について

県は県教育委員会の高木康夫委員(62)の任期満了に伴い、廃棄物収集運搬・清掃業「ゴトー」(熊谷市)代表取締役で一般財団法人「親学推進協会」理事の後藤素彦氏(42)を新たな委員とする人事案を追加提出した。

出典:埼玉新聞『五輪費用負担の理由ない…県議会で決議 民進反対「後ろ向きの印象」』2017年6月20日

・親学推進協会 理事:後藤 素彦(公益社団法人日本青年会議所顧問)

出典:一般社団法人「親学推進協会」ホームページ

また教育委員、兼教育長職務代理者の藤崎 育子 氏もまた、親学と深いかかわりを持つ人物であるようです。藤沢市会議員である竹村正雄氏が次のように伝えています。

「親学推進協会」は各地で認定講座を開いています。2010年2月13日には埼玉県熊谷市で認定講座が開催され、第7講座「非行、不登校への対処」では、藤崎育子氏が講師をつとめました。

講師の藤崎育子氏は、(編注:親学推進協会会長である)高橋史郎氏とは「親と教師が日本を変える」(PHP研究所)などの共著もあります。

※一部読みやすく改変

出典:藤沢市会議員 たけむら雅夫 市政レポート 教育版 2012・6

そもそも藤崎氏は、卒塾生が親学と関わりの深い民間政治塾「松下政経塾」の出身です。

参考文献:

埼玉県 県政ニュース(報道発表資料)「県教育委員会教育長に 小松氏が就任

埼玉県「第1 80 8 回 埼玉県教育委員会定例会」2017年5月25日

埼玉県「教育委員会委員長について」2015年10月埼玉県 県政ニュース(報道発表資料)「県教育委員会教育長に 小松氏が就任」23日14時

埼玉新聞『五輪費用負担の理由ない…県議会で決議 民進反対「後ろ向きの印象」』2017年6月20日

埼玉県教育委員会 指導者情報「子育て 指導者」

一般社団法人「親学推進協会」ホームページ

藤沢市会議員 たけむら雅夫 市政レポート 教育版 2012・6

松下政経塾ホームページ

内閣府 NPOホームページ

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