残業時間上限、「月100時間」で最終調整に。一方、ドイツの実残業時間は…
最近話題となっていた、残業時間の上限規制の話ですが、「月100時間」で最終調整に入ったようです。例えば毎日新聞は次のように伝えています。
政府が検討する残業時間の上限規制について、繁忙期でも月100時間未満とし、一定期間後に見直すという案で、経団連と連合が合意に向けて最終調整していることが9日分かった。
出典:毎日新聞 2017年3月9日
それにしても日本人の労働時間が長いのはよく知られたところですが、正社員(下のグラフでの一般労働者)に限った場合、その労働時間は90年代初頭から全く変わっていないことが、最近の研究において明らかにされています。
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90年代初頭といえば、「24時間、た・た・か・え・ま・す・か!」などと歌った、マッドマックスなCMソングが流れていたころであります。
それはさておき、今回の「100時間までなら許される残業時間」につて、どのように見なせばよいのか。例えば海外の残業労働時間について、ドイツの日刊紙Die Weltが次のようなグラフを掲載していました。
両グラフは2000年から2013年において、1月の残業時間を示したもの。上線がサービス残業の時間、下線が通常の残業時間。
やはりというか日本よりは残業時間が少ないのですが、WELT誌によれば「ドイツはほかのEU諸国より残業時間が長い。嘆かわしい」とのこと。
またくわえて、このドイツ紙は中道右派系の新聞なのですが、このような労働者保護のような論評を張るあたり、さすがにキリスト教の保護主義の影響が強いと言うか、ほぼ確実に経団連側の論説を張る日本の右派系新聞との違いを感じさせるものとなっています。
参考
毎日新聞 「月100時間未満」最終調整 経団連と連合 2017年3月9日
Die WeLT ”Die Deutschen leisten die meisten Überstunden”