旧ソビエトに関連したゲーム11本。KGB、ソ連崩壊、核攻撃
「ソ連(ソビエト社会主義共和国連邦)」ー。
大地主や貴族による圧倒的な富の偏在に苦しむ労働者や地方農民の夢と希望を乗せ旅立つも、結局1991年に崩壊してしまったソビエト連邦。そんな旧ソ連を舞台にしたゲームを、あまり知られていないマイナーなものを中心にご紹介。
扱っているものの宿命か、KGB、ソ連崩壊、核攻撃など、政治ネタが多いのがその特徴となっています。
・B-1 Nuclear Bomber(ビーワン ニュークリア― ボマー)
1980年発売
開発:マイクロコンピュータ・ゲームズ
販売:アヴァロン・ヒル
機種:Apple Ⅱ
ジャンル:フライトシミュレーション
『B-1 Nuclear Bomber』は、アメリカのB-1機を題材にしたフライトシミュレーションゲーム。B-1機にて敵国に核爆撃を行うことがゲームの目的となる。
ソ連は標的となる国の一つであり、シナリオにおいては1991年7月のモスクワを舞台にしている。
・Crisis in the Kremlin(クライシス・イン・ザ・クレムリン)
1991年発売
開発:バーブ・コーポレーション、スペクトラムホロバイト
販売:MicroProse
ジャンル:政治シミュレーション
本作でプレイヤーは、1985年から2017年にかけての時代をソビエト連邦の指導者となり、内政から外交に至るまで、ありとあらゆる政務活動に携わることに。
海外製PCゲームらしく、建設、環境、軍事、年金、福祉、農業、経済など様々な支出の増減が細かく指示できるほか、ゴルバチョフら改革派とエリツィンら急進派、リガチョフら保守派の対立、1988年のアルメニア大地震や86年のチェルブイリ原子力発電所の事故など、80年代ソ連の歴史イベントも作中においては随所に登場する。
・Death to Spies: Moment of Truth(デス トゥ スパイズ)
2009年発売
開発元: Haggard Games
パブリッシャー: 1C Company
機種:PC
ジャンル:ステルス系サードパーソンアクション
評価:85%が好評(Steam)/69点(Metacritic)
時代は1940年代。第2次世界大戦に実在したソ連の諜報部隊「SMERSH(スメルシ)」の一員となって、敵軍の高官の暗殺など、危険な任務を遂行していく。
ステルスタイプのサードパーソンアクション。
・DEFCON(デフコン)
2006年発売
開発・販売:Introversion Software
機種:PC
評判:88%が好評(Steam)
ジャンル:アドベンチャー
舞台は冷戦時代。核兵器を用いた第3次世界大戦が勃発した。
プレイヤーは独裁者となり、自国の犠牲をできるだけ少なくしかつ敵国を効果的にせん滅するかを競うことに。冷戦時の核競争をシニカルに扱った映画『博士の異常な愛情』みたいな、ブラックユーモアあふれる内容となっている。
・KGB
1992年発売
開発:Cryo Interactive
販売:Virgin Entertainment
機種:アミガ/MS-DOS
ジャンル:アドベンチャー
舞台はソ連崩壊直前の1991年夏。
主人公のKGB・P課の課長、マキシム・ミカイロヴィッチ・ルコフはKGB内部の不正を暴くよう上層部から密令を受ける。だが、捜査を続けるうち、ルコフはソ連そのものを動かす大きな陰謀に巻き込まれていくことに…。
・Lenin in Morgue(レーニン・イン・モルグ)
2014年発売
開発・販売:Bulanga Games
機種:iOS/Android
ジャンル:死化粧シミュレーション
1917年に起きたロシア革命100周記念として作られたらしい謎ゲーが本作。われらがボリシェヴィキの偉大なる指導者・レーニンの死化粧を行う。
どう見てもク〇ゲーなのに、1.99ドルと有料なのがさらに謎。
・Soviet City(ソヴィエト シティ)
2016年発売(現在も開発中)
開発・販売:chicken in the corn studio
機種:PC(Steam)
評価:82%が好評(Steam)
ジャンル:独裁国家運営都市シミュレーション
一見、よくあるシムシティタイプの都市発展シミュレーション。だが本作が他のゲームと一線を画すのは、舞台が「旧ソビエトの都市」というところ。
プレイヤーはとある市のソビエト議長となって、経済なり政治なりを一挙に担い、都市建設に向け辣腕を奮っていくことになる。
ゲーム中はソビエトらしく”恐怖レベル(terror level)”という概念が存在。社会主義国らしくありとあらゆる資源が限られている中で、住民たちを生かさず殺さず恐怖で上手にコントロールし、「5か年計画」を何とか達成していくことが求められる。
ゲーム内の建築物やグラフィックスは1920年代に活躍したロシアン・アヴァンギャルドの建築家/美術家であるエル・リシツキーのものがモチーフ。
一方音楽も”ソビエト風ダブステップ”を採用。作中においては細部までソ連らしさがあふれており、全世界津々浦々のソビエトマニアからも評判が高い一本。
・Spin Tires(スピン タイヤズ)
2014年発売
開発・販売:Oovee Game Studios
機種:PC(Steam)
評判:86%が好評(Steam)/67点(Metacritic)
ジャンル:運送シミュレーター
舞台は旧ソビエト時代。
地図とコンパスだけを頼りに、ソビエトのボロトラックで黙々と運び続ける運送シミュレーター。
とにかくロシアのぬかるんだ道の再現にこだわっており、気を抜くとすぐさま道にタイヤが取られ車体が転倒してしまう。
・The Tomorrow Children(トゥモロー チルドレン)
2016年発売
開発:Q games、SCEジャパンスタジオ
販売:ソニーインタラクティブエンタテインメントジャパン
機種:PS4
評判:57点(metacritic)
ジャンル:SFアドベンチャー
舞台は21世紀。1967年にソ連で行われた極秘実験により、人類の肉体と意識が消失してしまった世界。
プレイヤーは人類を復活させるため各種の労働活動を行うことになります。
「“マトリョーシカ”を集めて人類を復活させる」「“外貨”を使った秘密の取引」やあちこちのデザインや小物に至るまで、ソ連風味を漂わせる一本。
定期的に変わったゲームをリリースしているソニーらしい、オリジナリティあふれるソフトとなっています。
・USSR School uniform
2014年発売
開発・販売:Anastasia Terekhina
機種:iOS/Android
ジャンル:着せ替え
ソ連版『ガールズモード』。髪型から始まって、上下の服、アイテムなどを好きなように組み合わせることができる。ただそれだけと言えばそれだけの、シンプルなつくり。
・ゴルピーのパイプライン大作戦
1991年発売
開発:コンパイル
販売:徳間書店
機種:ファミリーコンピュータ、MSX2、FM TOWNS
ジャンル:パズル
当時ペレストライカやらグラスノスチやらの改革で日本含め各国で人気があったソ連の一番偉い人・共産党書記長ゴルバチョフ。日本もまだバブル崩壊前夜で無駄金を使う余裕があったのか、なぜかこのソ連の政治家をモチーフにしたパズルゲームがリリース。
しかしその年の12月、ソビエトは崩壊しゴルバチョフは偉い人の座をエリツィンに奪われたのはご存じの通り。一方の日本も現在まで続く長い低迷期に突入し…。
肝心のゲーム本編は、BGMの評価は高いとのこと。
【参考文献一覧】
一部タイトルは以下の文献を参考にしました。
WIKIPEDIA1、Wikipedia2、wikipedia3、wikipedia4