極端に社会から孤立した生活は、早死のリスクを14%高めるという研究成果が発表されました。この数字は、肥満によるリスクのおよそ2倍に相当します。なお、日本人は家族以外の人と社交のために全く、または滅多に付き合わない人の比率が先進国の中で最も高いことが調査で分かっています。
孤独が早死にのリスクを高める研究結果は、米シカゴ大学の心理学者ジョン・カチオッポ教授によって発表されました。教授のグループは、55歳以上の成人2000人を対象に身体的・精神的な健康の衰え方に関しての調査をおこなったとのこと。
同教授によれば、孤独は、主観的な幸福感を全体的に低下させ、睡眠を妨げたり、ストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌を増加させて血圧を上げるなど、さまざまな有害な影響をもたらす危険性があります。
リンク先のIndependent紙でも、英国内の20~40パーセントの老人が日々の生活において孤独感を抱いていることが紹介されていますが、孤独感は特にリタイア後の世代が抱きやすいものであるそうです。前述のカチオッポ教授もそれまで自分と結びついていた社会のネットワークとの結び付きが退職後に無くなることで、孤立感が増大する可能性を指摘しています。対処法として、教授は友人や家族と過ごす時間を増やすことをアドバイスしていますが、それができたら苦労しないよ、という気がしないでもありません。
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