現在アメリカ各地においては大麻合法化へと向けた動きが活発化しており、すでにてんかんやHIV、ガンなどの緩和用途に用いる医療用途での使用は21州で合法化されています。
さらに嗜好用途の商業用大麻も含めた完全合法化も今年になってコロラド州・ワシントン州の2州で解禁されるようになりました。
今後、いくつかの州では合法化の可否を問う住民投票が予定されており、ここ近年活発になった大麻合法化も最近ではアメリカ全土での完全合法化まで見込める状況となっています。
そして今回、仮に完全合法化がアメリカ合衆国全土にまで及んだ場合での税収の試算結果が発表されました。その額なんと3300億円!
どのような試算方法か?
この試算結果を出したのは個人向けファイナンス会社のnerdwallet.com。
同社は各州の25歳以上の人口比率と大麻の使用率・マリファナ市場規模・消費税率といった各種データを元にして、生産者が販売者に卸す際に掛かる大麻税率を既に商業化がなされているコロラド州と同じ全州一律15%と設定してデータを作成しました。
試算結果とその額
試算結果によれば、全米において商業大麻が合法化されることにより見込まれる税収は総計で30億9886万6907ドル(日本円で約3286億円)。
州ごとに見てみると、トップはカルフォルニア州、その額は5億1928万7052ドル(同551億円)と、1つの州で全体の6分の1近くを占めています。
以下、ニューヨーク州 2億4810万3676ドル(同:263億円)、フロリダ州1億8340万8640ドル(同194億円)、テキサス州 1億6630万3963ドル(同176億円)、イリノイ州 1億2610万7360ドル(同134億円)と続きます。
すでに商業用大麻が合法化された2つの州、コロラド州とワシントン州ではそれぞれ7815万7904(83億円)と1億1950万540ドル(同127億円)との試算。
その他の嗜好品と比べると、アメリカ合衆国におけるタバコ税収入は年間で1,9兆円(2011年)、酒税収入は同じく6616億円(2011年)であり、これらの税収入には及ばないとはいえ大麻完全合法化における税収の多さがうかがえます。
引用元のnerdwallet.comの該当ページにはデータの算出方法と試算結果が詳しく掲載されています。
参考文献:
nerdwallet.com:Cannabis Cash: How Much Money Could Your State Make From Marijuana Legalization?
Tax policy centre:Alcohol Tax Revenue
Tax policy centre:Tobacco Tax Revenue