2023年は開発が大きく前進。アップルウォッチの血糖値測定機能について、ここ最近の動向まとめ
開発が進む、アップルウォッチでの血糖値検出機能。ここ最近の動向をまとめました。
・米Bloombergによると、アップルは血糖値モニタリング技術の開発に関し2023年、顕著な進歩を遂げた。
将来のApple Watchの機能として計画されているこの機能だが、これは糖尿病患者などが血液検査のために皮膚を刺すことなく血糖値を検査できることを可能にする。
・血液を使わずに血糖値濃度を測定するために、アップルは現在、光吸収分光法を利用したシリコンフォトニクスチップを開発中。これは、皮膚の下にレーザー光を当てて体内のグルコース濃度を測定するというものである。
・今のところ、この技術はまだプロトタイプ段階となっており、アップルウォッチに搭載するためには、現段階のものをウェアラブルサイズに凝縮させる必要がある。
なお現在のプロトタイプのサイズはiPhoneほどの大きさがある。とはいえ、以前のものは卓上に置かなければならないほどの大きさだったので、開発はかなり進展したといえよう。
・現在のプロトタイプを動かすメインチップはTSMCが開発したが、アップルは以前、グルコース・モニタリング用のセンサーとチップを作るためにロックレー・フォトニクス社と提携していた。
フォトニクス社は2021年、体温、血圧、グルコース傾向、水分補給、アルコール、乳酸などをモニターできるデジタルセンサーシステムを発表したが、その後、アップルは同社との関係を解消している。
・この機能に関しては、アップルのExploratory Design Group(XDG)に所属する数百人のエンジニアが開発に取り組んでいるが、実現ははまだ何年も先の話となりそうだ。
ブルームバーグによると、XDGはグーグルのX開発プロジェクトに似ており、アップルにとって最も秘密裏に進められている事業だという。アップルはこれまで、非侵襲的グルコースモニタリングの開発に数億ドルを費やしてきた。
・アップルは当初、スティーブ・ジョブズの指示の下、2010年にレアライト社を買収し、代替グルコース・モニタリングの開発に着手した。
この皮下グルコース検出技術に関しては過去10年以上にわたって人体テストが行われており、試験には健常者だけでなく、糖尿病予備軍や2型糖尿病患者も参加している。