ガンは今アフリカでエイズ、マラリアを越え最も死者が多い。背景には80年代アメリカと同じく迷信の存在が

To match Insight CANCER-AFRICA/GHANA

現在、発展途上国で最も死亡者数が多い病気は・・・

英economist誌が「発展途上国でいま最も死亡者数が多い病気」としてガンを取り上げています。

WHOの下部組織である「国際がん研究機構(IARC)」の調査では、全世界1400万人のがん患者のうち、最貧国および中所得国の人々が占める割合は57パーセント、死亡者比率では65%を占めるとのこと。意外なことに、最貧国においてガンは、AIDS、マラリア、結核といった病気よりも死者が多い病気なのだそうです。

発展途上国でガンといえば、以前は肝臓ガンや子宮ガンのことを指しました。しかし経済発展による生活水準の向上により、喫煙や脂肪の多い食事を摂取する生活が一般化。それによって大腸ガンや肺ガンにかかる人が多くなっています。

また、これら発展途上国や最貧国においてガンが重大な病気だとみなされていないことも死者を増加させる一因です。死亡者数で圧倒的に上回るにも関わらず、ガンはHIV、マラリアおよび結核といった病気に比べてごく一部の援助しか受けられないのです。

WHOのミレニアム開発目標のうちの3つは健康についてのものですが、しかし、そのどれもガンについては言及していません。多くの開発途上国では治療センターはいうまでもなく、ガン専門医もいませんガンについての知識もよくありません。専門医がおらず設備も整っていないので、発見も遅く、たとえ発見されてもその頃には手遅れというケースが多いのです。

ガン死亡者数増加の背景には迷信

ハーバード大学公衆衛生大学院の学部長であるフリオ・フレンク氏は、ガン治療に対する開発途上国の姿勢は、1980年代のエイズに対して人々がしたのものに似ていると述べます。

かつて80年初頭、はじめてエイズの存在が明らかになった際、とくにアメリカなど同性愛者への迫害が厳しいキリスト圏ではエイズに対し「愚かな同性愛者だけがかかる病気」と迷信が流布。その結果、「エイズ患者は自業自得」と考えた時のアメリカ大統領ロナルド・レーガンはAIDSに対し一切の対策・施策を行わず、そのため多くのAIDS患者がなすすべもなく死を迎えていきました

ここらのアレコレはマシュー・マコノヒー主演で『ダラス・バイヤーズ・クラブ』という映画になっています。この映画は女好きのテキサス男の主人公(マコノヒー)がエイズにかかってしまい、偏見からエイズ治療薬を認可しない政府を見限って国内未承認の薬を売る組織「ダラス・バイヤーズ・クラブ」を立ち上げるという、実話を基にした人間ドラマ。この映画でマコノヒーは2013年のアカデミー賞主演男優賞を獲得しました。

話は戻してフレンク教授によれば、世界が毎年、ガン治療と予防に費やす3200億ドルをより適切に費やすことができれば、現状のガン死亡者を半分にまで減らすことができ、さらに最貧国と中所得国においてはガン死亡者数の約5分の4が回避可能になるとのことです。

The Economist “Cancer in the developing world Worse than AIDS

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