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今やアメリカでも「広島・長崎への原爆投下は正当化できない」とする人が多い。「原爆投下はソ連との覇権争いのためで、必要なかった」との歴史研究も

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今やアメリカでは広島・長崎の原爆投下に否定的な人が多い

先日のオバマ大統領の広島訪問の余韻がまだ冷めやらぬ中ですが、太平洋戦争におけるアメリカの原爆投下について、興味深いデータが出ています。

下の図は毎年アメリカ三大ネットワークの一つであるCBSが調査会社ギャロップと共同で行なっている意識調査のものですが、それによると、先の戦争における米国の日本への原爆投下に対し、最新の調査では否定的な米国市民のパーセンテージが肯定的な市民のパーセンテージを上回ったとのこと。

US_atomic_bomb

年齢別/階層別/人種別に見てみると、原爆投下に対して肯定的なのは「男性」「白人」「共和党支持者」「55歳以上」。若い世代になればなるほど否定的になり、白人以外でも否定的な人が多いようです。

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ただ別の調査機関(ピュー・リサーチ・センター)による意識調査では、依然として、原爆投下に肯定的な米国人が圧倒的です (原爆投下を”正しかったとするアメリカ人56%、”正しくなかった”とするアメリカ人34%) 。

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しかしこの調査にしても、1945年の同調査では85%の米国人が原爆投下に賛成だったとのことで、長いスパンで見てアメリカ市民の意見が変化していることは確かなようです。

今後、アメリカの人口動態についてはヒスパニックの主流になり白人はマイノリティー化するとのことが言われているので、今後ますます意見が変化していくのではないでしょうか。

ソ連との覇権争いの道具として行われた原爆投下

ところで、近年の歴史研究では「アメリカによる広島・長崎への原爆投下は必要なかった」ということが明らかになっています。

『プラトゥーン』『7月4日に生まれて』、そして『ブッシュ』といった作品で知られるアカデミー賞監督、オリバー・ストーン氏がアメリカン大学の歴史学者、ピーター・カズニック氏と2012年に製作したドキュメンタリー/書籍『オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史』では、このことをわかりやすく解説しており、それによれば「アメリカの原爆投下の承認は、日本がポツダム宣言を拒否したために行われたのではなく、終戦後に起こるであろうソ連との覇権争いを有利にするためのソ連へのけん制として行われた」と結論付けています。

[Pew Reserach, QUARTZ]

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